2017年04月09日

●並河靖之七宝展@東京都庭園美術館

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 東京都庭園美術館で開催された「並河靖之七宝展」の最終日に滑り込みました。
 2014年に三井記念美術館で開催された「超絶技巧!明治工芸の粋」展でも抜群の存在感を放った並河靖之七宝の名品の数々を、アールデコ建築の白眉「旧朝香宮邸+庭園」で鑑賞!モノと場の組合せの魅力に期待が高まります。

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 週末の雨で、桜は満開から葉桜へ。東京都庭園美術館は、本展を最後に11月中旬まで全面休館になるので、7か月間のお別れです。

 購入したてのパピリオⅡ双眼鏡を持参して、準備万端。
 本館 1階
 大広間
 《舞楽図花活》とその下図。発注者の要望にいかに答えるか。どのような意匠、色彩。そして、いかに作るか。それらの意図が込められた下図自体が美しい。

 大客室
 《藤花菊唐草紋飾壺》。超絶技巧展以来、3年ぶりの再見。黒地に白藤が美しい。《桜蝶図平皿》。水彩画のような緑地を縁取る桜と舞う蝶。七宝とは思えない美しさ。

 大食堂
 《菊唐草文細首小花瓶》。細いシルエットが美しい。転倒防止に半透明ワイヤーで留める展示方法に、所有者は地震が来るたびに小瓶が割れないか心を悩ませるであろうと察する。

 喫煙室
 年表。並河靖之七宝の歴史を淡々と記述。青蓮院宮近侍として仕えつつもその俸禄だけでは食べられず、1873年に七宝製造を開始。1875年の京都博覧会にて銅賞を受賞。1876年にストロン商会と5年契約を結ぶも、品質の悪さから契約破棄。その後再起して成功をおさめ、国内外の博覧会で受賞を重ね、1996年に帝室技芸員に。販売高の9割を占める外国人向け需要の落ち込みを受けて、1923年に工房を閉鎖。その技術習得、開発の早さは驚異的で、どのような背景、才覚に優れていたのか興味は湧くものの、そういった面の解説はなし。

 2階
 《松に鶴図花瓶》。ガラス質の釉薬に厚みがあり、その奥に黄土色の粒子、手前に鶴等の図案が描かれているように見える。
 《蝶に花丸唐草文飾壺》。面ごとに色を変えるカラフルな美しさ。よくもこれだけ色が出せると感嘆。
 《菊紋付蝶松唐店模様花瓶》。先ほどの小花瓶に比べれば安定感のあるプロポーション。

 新館 ギャラリー1
 《菊御紋章藤文大花瓶》。青地に浮かぶ白藤。濃淡のある白表現が、闇夜に浮かぶようで美しい。展開図のように描かれた下図も幻想的で美しい。
 《楼閣山水図香炉》。水墨画のぼかしのような表現。並河靖之七宝の到達点。

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 館を出て、眼前に広がる桜までもが鑑賞体験の一部に思えます。満喫。

Posted by mizdesign at 23:57 | Category : a3.2 アート 近代以降 | Comments [0] | Trackbacks [0]