2018年09月08日
●イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へー@東京オペラシティ アートギャラリー
東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「イサム・ノグチ-彫刻から身体・庭へ-」を観ました。イサム・ノグチといえば、土門拳記念館や丸亀市猪熊弦一郎現代美術館での建築空間と一体化した彫刻の在り方。そして、イサムノグチ庭園美術館の巨石彫刻群とモエレ沼公園のランドスケープ彫刻が強烈に記憶に残っています。オペラシティの決して広いとは言えない空間で、何を見せるのか?
第1章 身体との対話
冒頭に、「北京ドローイング」と称する毛筆の身体ドローイング。細線の身体アウトラインに、薄くぼかした太筆が、まるでその本質を探るかのように走ります。具象と抽象の間を模索するような描線。
第2章 日本との再会
二枚の板の愛、柱壺、三本足の花器。日本に帰国したノグチが創り出す陶造形は、縄文の土が持つ生命感を思わせる。
あかり。光の彫刻の誕生。照明器具としてもロングセラーで、ノグチの越境的造形センスが感じられる。
第3章 空間の彫刻-庭へ
プレイ・マウンテン。大地の彫刻の発見。
2つの沈床園の実現。
2つのイサム・ノグチ庭園美術館の実現。
第4章 自然との交感-石の彫刻
アーケイック。自然のあるままに。「どうなりたいか」を対話から引き出す造形。
りす。鉄板を鋭角に折り曲げたシャープな加工に現れる、可愛らしいシルエット。
「イサム・ノグチ」に成る前の、身体性との接点に視点を据え、そこから後の「彫刻家イサム・ノグチ」の誕生を追う構成が新鮮。集大成部分手前で終わる感じを、腹八分の程よい感じと捉えるか、ボリューム不足と捉えるか。空間を上手く使った展示と思います。