2018年02月03日
●上海-杭州-寧波 旅行記 その5 4日目 寧波博物館
4日目。杭州東駅から高鉄で寧波へ。チケットは翌日の上海戻り分と合わせて、昨日のうちに買っておいた。驚くほど英語が通じないのと、全席指定で当日だと売り切れも多いので、事前の段取りと高徳地図が頼みの綱。さらに1時間半前には待合スペースで待機。やはり、鉄路を走る飛行機。
1時間弱で寧波到着。帰りの切符を買って、高徳地図で寧波博物館を検索。633路で40分弱、25分くらいに1本と出る。とりあえずバス停に向かうと、ちょうどバスが来た。着いた先は、鄭州区庁舎と文化センターと寧波博物館が向かい合う、巨大な広場。どの建物も、あきれるほど大きい。王澍の設計は前衛的と思っていたので、こんな巨大な政府プロジェクトに関与しているとはビックリ。
レンガ、瓦、様々な仕上げのコンクリート。これら素材が壁面を鋭角的に、まるで屋根の稜線のように分割する。この切り替えが上手い。こんなに巨大なのに、威圧感よりも「動き」を感じる。建物は単純な箱型ではなく、上層部が分割され、外壁の角度にも変化をつけている。物質感豊かな素材と、変化に富んだ面・形の組み合わせが「動き」を生む。重さと動き、相反しそうな組み合わせで成功しているところがすごい。緑が見えるので、屋上庭園もあるのだろう。一周してから中へ。
入館料は無料。入ると4層の吹抜け。吹抜けに面した手摺立ち上がりと壁面は荒いRC仕上、一面のみ白塗り壁。右手の光沢メタルパネル仕上げのエスカレーターと射す光が、上方運動を劇的に演出する。正面には大階段。
1階では特別展「CHINA 与 世界」を開催中。冒頭に遣唐使船と鑑真和上紹介。
白い壁の向こうに、プロフィリットガラスの中庭。
3階はウッドデッキ張りの屋上テラスを出入りする構成。平面、立面とも斜め線を多用。モノとモノ、中と外が激しくぶつかり合う。瓦や石積み、コンクリートの外壁構成と相まってとても迫力がある。ところどころ外へと抜ける視線が効果的。
3階展示室では「金玉大明」展を開催中。明王朝の金装飾・宝石がキラキラ輝いて綺麗。カフェもあって、まるで王澍世界の都市に迷い込んだような内外回遊が楽しい。屋外大階段を降りて、出口へと至る経路もダイナミック。やはりこの人のデザインは、動線と外部造形がとても良い。
カフェで抹茶ケーキとカフェラテを頼んでまったり。味はそれほどでもないけれども、満足度は高い。出口から建物を見返して、遺跡のような重厚感と、ランダムな幾何的構成の融合に、凄い建物だなと改めて思う。633路で駅に戻る。今回も10分ほどでバスが来た。高徳地図とバスは相性抜群。
寧波駅で高鉄の乗車改札開始まで待機。高鉄改札前には、大きなペイント缶?を抱えた一群が陣取っていた。春節前の里帰りなのだろうか。乗客層がこれまでと明らかに違う。
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