2017年05月07日
●いちはらアート×ミックス2017 その2
月崎エリア 木村崇人《森のラジオ ステーション×森友会》
前回の芸術祭時に、小湊鉄道の詰所小屋を苔と山野草で覆い改装。その苔むした外観は、長年を経て朽ちつつあるかのようで、とてもフォトジェニック。
内部にはかつて使われていたトロッコが置かれています。改装時に天窓を設け、射す光が見やすいよう、スモークを焚いています。さらに今回の会期内はラジオ機能も復活。
芸術祭を機に誕生した空間が、会期以降も有志団体によって維持管理され、人の集まる場として存続していることが素晴らしい。
小湊鉄道月崎駅。「豊かな自然の中を走る、こじんまりとした鉄道」という、映画に出てきそうなイメージそのままの場所。
養老渓谷エリアへ。新緑と渓流と橋。季節も景色も気持ち良いです。
アートハウスあそうばらの谷 鈴木ヒラク《道路》。川岸に立つ既存の記念碑(?)に自転車の反射板を貼り付けているのですが、両者のマッチングが絶妙で、まるでずっとそこにあったかのよう。
古民家の中へ。古い家屋の陰影の中、自転車パーツのピカピカ光、宙に浮く鉄棒の鏡面光、トンネル面を写した紙に投影された光が、空間に新たな息吹を吹き込む。
月出エリア 月出工舎[旧月出小学校]。
岡田杏里《脳内原始旅 vol.2》。プリミティブな造形とカラフルな色彩、素朴な質感。ビビッドな生命力が感じられます。
岩間賢《うたつち》。 緑の法面に囲まれた小さな小学校。そのプールに設置された巨大な土のオブジェ。うさ耳のような形態、風雨にさらされたせいか、表土がはがれて藁を混入した下土が露出した質感。とても異質で、とても自然な存在感にびっくり。「象のふんを混ぜた粘土」という素材に二度びっくり。
風景と食設計室 ホー《月の出る処、今と昔 vol.2 ~月出への手紙~》。レストランに見立てた展示。土地にまつわるエピソードをヘッドホンで聴きながら、メインディッシュとして置かれた手紙を書くことが展示に参加できる。「月出小学校がなくなるなんて思わなかった」といったエピソードがとても印象に残りました。
舞踏団トンデ空静の公演舞台として使われた倒木。倒れたのは何年も前だそうで、幹と大枝を残すのみですが、根部はまだ土がついたままで、朽ちつつも存在感は健在。
内田エリア。内田未来楽校。
地域の人たちが、取り壊しの危機にあった市原市最後の木造校舎を、保存・活用している施設。
キジマ真紀《蝶々と内田のものがたり》。地域協働の作品も場にぴったり。その在り方自体が文字通り、未来楽校。
というわけで、いちはらアート×ミックス2017を駆け込み鑑賞しました。市原市の山側には行ったことがなかったので、いろいろな場所を回れて楽しかったです。アクセスの悪さもあり、集客は苦戦しているようですが、次回があると良いですね。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/1121