2017年03月30日

●蘇る!孤高の神絵師 渡辺省亭@加島美術

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 加島美術で開催中の「蘇る!孤高の神絵師 渡辺省亭」展を観ました。

 「孤高」「神」といった超絶技巧系を期待させるタイトルに加えて、チラシには「若冲に継ぐ天才画家」のフレーズ。異例の実行委員会形式+同時複数個所開催+作品集同時出版。さらにメイン会場の加島美術は、銀座線京橋駅徒歩1分。ビックリするくらいの立地の良さに加えて、段差解消のステップ等の古い建物(倉庫?)のリノベーションセンスがとてもモダン。期待が飛躍的に高まります。

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 1階。萩にうさぎの図。うさぎが5匹重なる構図が可愛らしく、掴みはばっちり。近づいて観ると、輪郭は博物学的な捉え方に感じられ、描線も塗りも意外とあっさり。目の描画だけ妙に生気が感じられる。勝手に期待していた超絶技巧系というよりも、とても上手な観察塗絵に近い感じ。「あれ、思っていたのとちょっと違う?」

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 雪月花図。雪に雀、月に花菖蒲(?)、薄墨に桜(?)。とても見栄えのする構図と色彩。近寄るとちょっとビックリするくらいに淡い描写。

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 さらに近づくと、雀だけは妙に写実的でしっかり描き込んであり、図鑑的。全体の詩情的な雰囲気と折り合っているような、バラバラなような不思議な按配。

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 2階。牡丹に蝶の図。本展のキービジュアル。遠目にも色美しく、近寄っても美しい。

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 牡丹の花弁の彩色の美しいこと!正に本展の華。紅白のコントラスト、白牡丹に黒蝶のコントラスト。

 おそらくは本展に出ている作品は、省亭の画業のほんの一部なのでしょう。今回の再評価を機に、省亭の名品を観る機会が増えることを楽しみに待ちます。

Posted by mizdesign at 2017年03月30日 23:06
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