2017年03月03日
●竹中大工道具館
前々から気になっていた竹中大工道具館を初訪問しました。日本で唯一の大工道具の博物館であり、かつ、日本最初の工務店、竹中工務店の博物館です。
新神戸駅から徒歩3分。のはずが、駅を出ても影も形も見えずにキョロキョロ。Google Map 片手にウロウロしてようやく到着。
門を潜ると、奥の深い庇とガラス面が水平に長く連続。一見伝統的に見えて、実は大スパンの鉄骨アーチ型架構だそうです。
閉館(16時30分)まで1時間半しかないので、1階の特別展をささっと観て、目当ての常設展目指して地下1階へ。中庭をぐるりと回るあたりで急に階段の揺れが大きくなったので、「構造が変わったのかな」と思いました。
歴史の旅へ
『釿(ちょうな)と槍鉋(やりがんな)で法隆寺を建てた』というのは、図解本で読んだことはあるけれども、実際に観ると、その凄さ、大変さが伝わってきます。鋸がまだないので、大木に楔を打ち込んで割り、あとはひたすら斫って削る。屋根の垂木等もひたすら削る。槍鉋を使っている動画を観ても、本当に大変な仕事。よくもあんなに立派な建物が建ち、1,300年を経て現役なものだと感動することしきり。また法隆寺に行きたくなりました。
サブテキストには「ほぼ日刊イトイ新聞 法隆寺へ行こう!」が最適。
右手にあるのは二人用の大鋸。葛飾北斎『富嶽三十六景 遠江山中』でお馴染みの木挽きの場面。やはり、鋸は木造作になくてはならない道具だと感じます。
棟梁に学ぶ
「最後の宮大工」西岡常一の材料見積資料。これは図版でも見たことなかったので、こうやって部材拾いをしたのかとびっくり。観られて良かったです。
唐招提寺金堂の屋根・升斗栱の原寸再現模型。その加工はもちろん槍鉋。淡く波打つ表面を観ながら、その削り出しの手間を想う。大屋根から柱へと伝わる力の流れが美しい。
道具と手仕事
原寸継手を分解、組み立てることで、その複雑かつ精度の高い仕組みにびっくり。
和の伝統美
地下2階に降りる。茶室のスケルトン模型。原寸教科書的な分かり易さと、繊細さ。中に入れるのが嬉しい。
後半駆け足で回るも、あっという間に時間切れ。上階に戻ると、ミュージアムショップも閉まっていました。次回はたっぷり時間をとって来よう。
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