2017年02月24日
●リニューアル記念 特別名品展@MOA美術館
MOA美術館で開催中の『リニューアル記念 特別名品展』と『杉本博展』を観ました。
2017/2/5のリニューアルオープンと同時にドッと溢れ出した『今回のリニューアルは本当に素晴らしい!』という絶賛の嵐を見聞して期待を膨らませつつも、「熱海は微妙に遠いし、紅白梅図屏風は混んでるだろうし。。。」と迷うこと2週間半。小田原に出かける用事ができたのを機に一念発起。
事前予習に美術館サイト掲載のインタビューを読む。
特別インタビュー 杉本博司(現代美術作家)× 内田篤呉(MOA美術館・箱根美術館館長)リニューアルしたMOA美術館 ─ その魅力を探る
そして、早起きして朝9時に熱海駅着。9:30開館直後のMOA美術館に滑り込み。
ロビーに入ると、正面に山景が飛び込んでくる。
斜め右を向くと、足元が透明なベンチソファ越しに海景が広がる。
そして展示室へ。
展示室1。 《柳橋図屏風》を露出展示で見せてから、《佐竹本三十六歌仙切》等の重文がズラリ。ゴン、ゴンと展示ケースに額をぶつける音が続く。ガラスが本当に見えないので、あると知っていても初めはぶつかってしまう。
展示室2。中心に据えられた黒漆喰のボリュームが、空間に秩序と豊かさをもたらす。
その中に、野々村仁清《色絵藤花文》が浮かび上がる。ただ、美を観るために削ぎ落とされた空間。
尾形光琳《紅白梅図屏風》。MOA所蔵品は撮影可能 の配慮が嬉しい。
展示室3。MOA美人画オールスターズ。黒漆喰壁による空間秩序と質感が、鑑賞体験を豊かにする。
特に《湯女図》が素敵。
2階に降りて、展示室4。ここから仏像ゾーン。階段から続く空間シークエンスがやたらカッコイイ。そして噂の屋久杉材の免震装置が登場。
展示室5の途中で名品展が終わり、杉本博司展が始まる。《加速する仏》。加速の果てに押し寄せる仏の大軍団。《海景-ATAMI》。うーん。全編に通じて、美への没入感と、うまいこと言いくるめられてる疑念が交錯してしまう。
というわけで、杉本博司と榊田倫之の空間造作に酔いしれました。今回はリニューアル空間お披露目のオールスター展示でしたが、この空間の真価は次回展でこそ映えそう。山中常盤物語絵巻をこの空間で観るのがとても楽しみです。
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