2017年01月31日
●2017年1月の鑑賞記録
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博物館に初もうで@東京国立博物館
花鳥図屏風の上へ吹き上げるような描写にめでたさを感じつつ、特集展示、松林図屏風、若冲、応挙等を見て回りました。1階で戦隊ポーズを決める十二神将様にほっこり。薬師様不在なので羽を伸ばしているよう。年始の行事として定着しましたね。
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〇小田野直武と秋田蘭画@サントリー美術館
冒頭に登場人物紹介と居住地マップ。平賀源内、解体新書、西洋博物図譜、南蘋派とエピソードを積み重ねて、第4章から本編。精緻さと独特な遠近構図が冴える!展覧会に重ねて直武の生きた時代を描く構成が素晴らしい。
松林山人「牡丹図鑑」の素晴らしい描写。「博物大名ネットワーク」の中心、細川重賢は絵師を抱えず自ら描いたのか?とか、「曙山は大変な癇癪持ち」の記述に直武の苦労を感じたり。同時代絵師、応挙・若冲の客演も嬉しい。サブキャラクターが魅力的な展示。
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拝啓ルノワール先生@三菱一号館美術館
梅原龍三郎のテキストを通して見る、後期ルノワールを中心とする19世紀初頭の西洋絵画展。寄託品を含めた美術館コレクションを中核としつつ、新たな視点を提示する構成が上手い。最終章で前期と過渡期ルノワールも見せるバランスが良かった。
〇岩佐又兵衛と源氏絵@出光美術館
又兵衛以前として土佐派の俯瞰的かつ精緻な画帖→又兵衛による単画面の革新性→工房による複数画面への取り組み→源氏物語解説+土佐派と又兵衛派の54帖屏風揃い踏み→そして冒頭へ。無限ループのように時間あるだけ見続けてしまう内容と構成の上手さ。
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クラーナハ@国立西洋美術館
再訪。《ヴィーナス》ツリ目の顔立ちにS字のポーズ、薄いヴェールの魅惑。ちらり。《ホロフェルネスの首を持つユディト》精緻な描写と美麗な彩色。冷たい視線とコロリと転がる男の生首。鼻の下を伸ばしたり、冷たく睨まれたり。様々な誘惑を堪能。
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〇春日大社 千年の至宝@東京国立博物館 平成館
第1章 神鹿の杜。『春日厨子』の鹿の眼、森川杜園『神鹿』のプニッとした感じが可愛い。
第2章 平安の正倉院。蒔絵弓、金地螺鈿毛抜形太刀等の古神宝の数々。普段観ること叶わない再現本殿。そして、春日権現顕記絵。見どころ目白押し!
第3章 春日信仰をめぐる美的世界。御堂関白記をはじめとする要人参拝の記録と、春日宮曼荼羅のバリエーション。
以降、武具、芸能、式年造替。空撮映像に映る、往時そのままの伽藍と背後の御蓋山から立ち上る霧が、権現顕記そのままで何より素晴らしい。
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〇火焔型土器のデザインと機能@國學院大学博物館
有名な火焔型土器を中心に、火焔土器様式を紹介。主役は内面のオコゲ。炭素窒素同位体比に基づき、『食品の煮炊きに使った』『地域によって煮たものが異なる』と推論。用途と形状から、縄文人の心情を想い、デザインへと至る。
2017年01月01日
●Life with Art 3
昨年は「目の手術」という思いがけない事態が発生しました。
幸い、日常生活に不便がない程度に回復しました。
感謝を込めて、2枚のアートピースを私の空間に加えて、”Life wit Art”を楽しむつもりです。
あなたにとって良い年になりますように!