2016年04月30日
●2016年4月の鑑賞記録
4/9
奥村土牛展@山種美術館
桜の季節に観る《醍醐》のピンクは幻想のように美しく、ぼやけた輪郭は少し湿った大気のよう。揺れる船中でスケッチをしたという《鳴門》の素晴らしい臨場感!《水蓮》の可愛らしさが最大の収穫。
4/10
オートクチュール展@三菱一号館美術館
オートクチュールの歴史を実作でたどる華やかな展示。入館者男女比 0.5:9.5。バレンシアガのドレスのシルエットと、デザイン画から現実へと着地するダイナミックさが素敵でした。
俺たちの国芳、わたしの国貞@Bunkamura ザ・ミュージアム
英雄物語、スター、怪異譚と現代文化の共通性と、人気絵師の対決構図で魅せる浮世絵再発見展。二人の画風の違いが分かり辛く、同じ大きさの画面が連続する構成が難。カタカナのルビは意味不明。
4/17
瀬戸内国際芸術祭 2016 春
最終日に滑り込みで犬島へ。
F-Art House 。モコモコスペースのモコモコ立体がかわいい。
石職人の家跡。周囲に馴染んで良い感じ感じ。ちょこんと置いてあるウサ耳チェアがかわいい。
犬島精錬所美術館。アプローチに仕掛けたミラーマジック、メイン展示、自然循環の空調。コミッションワークならではの絞り込んだ構成とシャープな造形が素晴らしい。
発電所跡。かつてあったものがなくなり、壁のみが残る。その存在感は意外なほど大きく、建物の躯体のみが仕上がった時のシンプルで力強い感じに似てる。
S邸/コンタクトレンズ。レンズの向こうの景色に、様々な大きさに反転されたパッチワークが嵌め込まれる。荒神さんの作品はいつも想像以上に面白い。
A邸/リフレクトゥ。こちらは花の造花のスクリーンの存在感が強くて、周囲の景色に溶け込むも言うより、花輪を掛ける感じ。
中の谷東屋。ラビットチェア5連!低い屋根は音響が面白いけれど、意外と寛げない。夏は日陰として重宝しそう。
C邸/エーテル。レーザービームのような水糸が強烈で、「島とアートと鑑賞者をつなぐ」というより独演会。ハンモックが気持ち良い。
I邸/プレーンミラー/リバース。フィルターとしての展示を挿入することで、周辺環境の豊かさが引き立つ。と感じます。
木陰で一休み。とても楽しい。
4/23
若冲展@東京都美術館
会期2日目、初週末の出足は絶好調。作品数少なめなガランとした空間に、鑑賞者がひしめく。見所はなんといっても、動植綵絵の全点展示。老松白鳳図のふわふわハートマークに再会して、目頭が熱くなりました。
手拭いの「入荷分は完売」と書いておきながら、「本日分が入荷しました〜」商法に、コロリとはまる。オペレーションが改善されたらしく、待ち時間は短かったです。
4/24
高島野十郎展@目黒区美術館
三鷹市美術ギャラリーの没後30年展から10年。前回は会場の狭さもあって、厳しい眼差し、ストイックな姿勢が印象に残ったけれども、今回は明るく伸びやかな風景画に目がいく。10年の再会が嬉しい。
メディチ家の至宝@東京都庭園美術館
メディチ家の栄華を辿りつつ邸内を回り、美しい新緑の緑に目を愉しませる。気候の良い季節の到来が何より嬉しい。
新館内のカフェ・ド・パレで自然光と庭園と美味しいランチ。
4/29
よみがえる仏の美@静嘉堂文庫美術館
運慶か?仏像と、若冲が参考にしたという釈迦三尊像と、曜変天目。緑豊かな緑地内の歩きはピクニック気分。帰りのバスに乗れずに駅まで歩く。楽しかった。