2015年04月30日

●2015年4月の鑑賞記録

 4/4
 グエルチーノ展@国立西洋美術館
 バロック画家の作り出す、劇的かつ平明な構図と光、美しい色彩。地震で大ダメージを受けた所蔵元の復興大使として、その世界が丸ごと西美に出展。「聖母子と雀」の陰影、「聖母被昇天」の空を見上げる構図が素晴らしい。
 対抗宗教改革を背景に「キリストから鍵を受け取るペテロ」の構図が興味深い。西美のコレクションを絡めたグエルチーノとグイド・レーニのと対比も見ごたえあり。時間を経て、名作が再発見される。その瞬間に立ち会う醍醐味。

 4/25
 六本木アートナイト 2015
 暖かい季節に開催になったので初参加。
 キックオフセレモニー。ひかる!つながる!さんかする!はるはあけぼのー、どかん!
 花火に願いを!wish your happyness !

 4/29
 たまらなくかわいいアート展@伊勢丹新宿店
 去年「画廊くにまつ 青山」で観た荒木愛さんの新作を見に初日にGo!紫(ピンク?)地にボタンインコがいる画の世界が広がって、オモチ文鳥が仲間入り。これはかわいい!と思ったら、出品作全て完売とのこと。おめでとうございます。

 4/30
 バーネット・ニューマン-十字架の道行き-、日本美術の愉悦@MIHO MUSEUM
 厳密な構成美とピッタリ呼応する八角形空間。
 曾我蕭白「富士三保図屏風」の富士の雄大さと虹のファンタジー、円山応挙の精緻な美に見惚れる。何より静謐な鑑賞環境に満足。

 桃山時代の狩野派ー永徳の後継者たちー@京都国立博物館
 2007永徳、2010等伯、2013山楽、山雪。日本史上最大のバブル期を背景に繰り広げる京博大河展示最新作。英雄亡き後の逆境を生き抜き、盤石たる基盤を築いて次なる天才の登場へとつなぐ。もう、面白くてたまらない。
  後継者 光信「四季花木図襖」繊細優美、優しい風が吹くよう。影武者 宗秀「扇面画帖」闊達な筆遣い。京狩野の祖 山楽「山水図襖」水平線と遠近粗密のメリハリ。前半は後継者たちの実力を紹介。ドラマさながらなキャラ付けが楽しい。
 第4章 にぎわいを描く。初めて徳川に仕えた長信「花下遊楽図屏風」の活き活きとした描写。勝興寺「洛中洛外図屏風」の二条城を大きく描き、御所・豊広寺を控えめに描く構図。何より市井の活気に見入ってしまう。
 クライマックスは探幽。わずか20代で描いた、二条城二の丸御殿「松に孔雀図壁貼付・襖」。横に長く伸びる松のスケール感は、見るものの度肝を抜く。文字通りの早熟の天才。永徳継承の物語は幕が降り、新たな物語が始まる。
 音声ガイドは北村一輝。為政者、家来、画家と様々な役回りを熱演。個人的にはこれじゃない感があるけれども、戦国バサラに刀剣乱舞にとイケメン演出が大切な当世、多少過剰な悪ノリ感があった方が良いのかも。絵師対決シリーズはありだろうか。

Posted by mizdesign at 23:16 | Comments [0] | Trackbacks [0]