2015年01月31日
●1月の鑑賞記録
1/2
博物館に初もうで@東京国立博物館
松林図屏風を始め、人気作は黒山の人だかり。絵を見るよりも人を見る感じが初もうで。応挙のトラがダントツにかわいい!
1/3
リー・ミンウェイとその関係展@森美術館
物腰柔らかなホストに導かれて紡がれる、柔らかな関係性。素材と色彩の選択も心地良く、参加していて楽しい。
1/4
○ホイッスラー展@横浜美術館
白いシンフォニーNo.2の鏡に映る顔、再起を期すファースト・ヴェニス・セットのこだわり、愛する妻と過ごした8年間の想い。絵の向こうに奥行きが感じられる。唯美的な作品は少なく、浮世絵との構図の関連性に多くを割く。施主の不在を狙ってデザインを変え、内覧会まで開催したというピーコックルーム。敵を作る優美な方法という、人を食った本タイトル。自分の興味に忠実で、ワガママな人だったのかなと想像が巡る。
1/17
FROZEN Fantasy Greeting@Tokyo Disney Land
昨年、世界中を席巻した"Let It Go"の勢いに乗って、冬の舞浜にアナ雪が登場。機械で粉雪を舞わせ、オラフとアナが魔法遊びをして、エルザの"Let It Go"をみんなで合唱。数分の寸劇ながら、満足感高し。ブームの力はすごい。午後から強風になったので夕方のプロジェクションマッピングは見送り。
1/24
○岡田美術館所蔵琳派名品展@日本橋三越
岡田美術館の誇る琳派コレクションが、日本橋三越で公開。宗達・本阿弥から光琳、抱一、其一。そして近代、現代へ。観たことのない名品がゴロゴロ並ぶ様は壮観。大味な構成と作品リストを用意しない対応が残念ながら、必見の催し物。
1/31
◎みちのくの仏像@東京国立博物館本館特別5室
鉈彫りの表面仕上げ、大きなお顔のプロポーション、都からの影響を思わせる圧倒的な存在感、円空の半立体的な平面表現、慶派の洗練された造り。様々な表現の集合が織りなす多様でシンプルな祈りの世界。貞観、東日本の二つの大震災を経た黒石寺薬師如来坐像の存在は奇跡というに相応しいと思えます。
2015年01月25日
●第63回 勝田全国マラソン
1月の第4日曜日に「第63回 勝田全国マラソン」を走りました。2009年に走って以来、6年ぶりの参加です。
前日に水戸まで移動して前泊。当日はバイキング形式の朝食をおいしく食べて、JRで7分移動して勝田駅へ。さらに無料シャトルバスで石川運動ひろばに到着。着替え、荷物預け入れ、トイレと済ませて、スタート地点の整列へ。今回はBブロックからのスタート。2千人を超えるボランティアの方々が参加されているとのことで、運営がとてもスムーズです。フルマラソン参加者は男子11,490人、女子1,718人。
午前10:30、号砲。気温12.0℃、湿度33.2%、北の風1.7mの絶好のコンディション。12秒でスタートライン通過。参加者も多いですが、コース幅も広いので走りやすいです。5kmを20分42秒で通過。足がちょっと重く、オーバーペース気味。とても見通しが良いコースなので、ずーっと前までビッシリと走るランナーが見えて、気が急きます。10kmを41分32秒で通過。4分9秒/kmのペース。いつまで経ってもランナー間隔が開かず、ついつい力んだ走りになります。見通しが良いので、地形に合わせた緩やかな上り下りが延々と連続していることが分かります。ピットインリキッドでエネルギー補給+給水しつつ、14kmを58分04秒で通過。ここまでは上出来。
ペースが落ち始めて、4分15秒/km前後をうろうろするように。足の裏に血豆が出来ている感触があり、力みすぎを自覚。相変わらず切れない人の列に、勝田の参加者は速いな~と思いつつ、そのペースに巻き込まれて自滅しないよう注意。21kmを1時間29分19秒で通過。先週のハーフマラソンより少し早いペース。やっぱり先週は後半の向かい風でペースが落ちてたんだなと納得。後半も意識が切れないよう、肩甲骨と骨盤の連動を意識しつつ走ります。24kmでNike+GPSがなぜか停止してしまい、ペースが分からなくなる。iPHONE6に変えてから、このトラブル続き。センサーがおかしいのか?勝田のコースは5kmごとに計測マットがあるけれども、時間表示箇所は少ないので、走っているときのペース把握に困ります。28kmを2時間切れると良いなと思いつつ通過。たぶん少し越えました。ピットインリキッドでエネルギー補給+給水。
前後間隔が空かない異様な密度がまだ継続。抜かれる数が増えてきたので、自分のペースが落ちていることが分かります。たまに肩の力を抜いて、フォームを崩さず、1kmずつ距離を刻むことに集中します。37kmあたりで小学校吹奏楽部の応援があって、涙が出るほど勇気づけられました。ここからが本番。大通りに戻って、視界が開けるけれども、ペースは上がらない。それでも肩甲骨を引き、骨盤を前に出すイメージを持ち続けてなんとかゴール。
記録は3時間11分17秒、ネットタイムで3時間11分6秒。3時間20分の壁を2年ぶりに破りました。ベストではないけれども、ベターな結果。体幹をイメージしたフォーム修正の効果を実感します。42kmを走りきるイメージを持てたのが嬉しい。距離走の練習を積んで、後半の落ち込みを抑え、全体のペースをもう少し早くしたいです。
測定地点 スプリット ラップ
Start 00:00:12
05K 00:20:54 0:20:42
10K 00:41:44 0:20:50
15K 01:02:51 0:21:07
20K 01:24:37 0:21:46
21.0975K 01:29:31
25K 01:46:52 0:22:15
30K 02:09:49 0:22:57
35K 02:34:01 0:24:12
40K 02:59:43 0:25:42
Finish 03:11:17 0:11:34
2015年01月18日
●第39回サンスポ千葉マリンマラソン
快晴、強風の下、「第39回サンスポ千葉マリンマラソン」を走りました。
例年より少し遅れて、8時20分頃にQVCマリンスタジアム着。トイレの列がすでに伸びており、手早く着替えを済ませて列に並ぶも、スタートまでの時間を考えて断念。やはりこの大会は8時間前に会場着でないと厳しいです。
昨年は手足がバラバラの走りが気になったので、つくばマラソン以降少し走り方を変えました。肩甲骨と骨盤の連動に気をつけて、体幹で走るよう意識しています。今大会がフォーム修正後の初レースです。
9:55号砲。今年は一般の部Fグループからのスタート。14秒でスタートライン通過。風で寒いかと思ったら、意外と暑い。1kmを4分13秒で通過。ちょっとペース遅め。初めの7kmは4分5秒/kmを目指します。前半は追い風の分、後半が向かい風で厳しそうなので、稼げるうちにタイムを稼ごうというプラン。暑くて手袋をはずします。5kmで左折して、7kmで第一折り返し。7kmを28分35秒で通過。4分5秒/kmで、ここまでは良いペース。
9kmから海沿いのコースに戻って、10kmでピットインリキッドでエネルギー補給して給水。10.5kmで第二折り返しを過ぎると、強い向かい風に。ここからが本番。体幹をイメージして、肩甲骨を意識して腕を振り、骨盤を意識して足を前に出します。足がスムーズに出て、足の止まり気味なランナーをドンドン抜いていきます。しかし順位は上がれど、タイムは落ちていきます。4分25秒/km前後までタイムが落ちて、「1時間30分を切るのは難しいな」と思ったところで、高橋尚子さん登場。恒例のハイタッチを交わして気合を入れ直し。ペースを4分15秒前後まで戻して、稲毛海浜公園へ。14kmを58分28秒で通過。1時間30分を切る可能性は何とか残した。
稲毛海浜公園のジグザグコースでしばし強風から解放され、4分07秒/km前後までペースを上げます。残りが向かい風のコースになるので、最後の稼ぎどころ。16.5kmで公園を抜けて、大通りに復帰。向かい風の中、体幹を意識しつつ、前に進みます。幸い、足が上がらなくなることはなく、ペースは落としつつも順位は少しずつ上げていきます。美浜大橋の登りを必死に腕を振り、足を前に出して乗り越えます。20kmを過ぎてスタジアム直前になって、足が攣りそうにピクピクしだします。力を入れすぎないよう注意しながらスタジアムのコースを走ってゴール!
記録は1時間29分51秒、ネットタイムで1時間29分37秒でした。タイム的には去年の大会よりも20秒ほど早くなっただけですが、後半も部分的にペースを盛り返すなど、終始足が止まることなく走り続けられたと思います。
体幹で走るフォーム改造の手ごたえを感じました。
2015年01月04日
●ホイッスラー展@横浜美術館
横浜美術館で開催中の「ホイッスラー展」を観ました。
「ホイッスラーって誰?」というくらい画家について知らないので、まずはチラシで予習。ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)、アメリカ・マサチューセッツ州生まれ、パリ、ロンドンと移住。以降、英国とフランスを行き来して活躍。「唯美主義」を主導、ジャポニスムの画家としても知られる。
さらにフリーマガジン「ミュージアムカフェ マガジン」でホイッスラーの人物像について予習。辛酸なめ子さんの描き下ろし漫画が、わずか4ページで画家の生涯をエピソード満載で描写。ダンディでモテ男かつ、気性が激しくトラブルの絶えない人物像をイメージしつつ展示へ。
注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
第1章 人物画
「農夫」1855/58年、「煙草を吸う男」1859年頃。初期油彩画はクールベのレアリスムの影響がうかがえる。
「12点の写生エッチング集」1858年。画家の最初の成功はエッチング集。
「灰色と黒のアレンジメントNo.2:トーマス・カーライルの肖像」1872-73年。水平・垂直線を意識した構図と、灰色基調の落ち着いたトーン構成。
幅広く取り組み、成功を収めていく過程が思い浮かびます。
「トリクシー(ビクトリアス・ホイッスラー夫人)」1892/94年、「バルコニーの傍で」1896年。ドライポイント、リトグラフの高い技術、的確な輪郭線とラフな陰影描写が抒情性を高める。数多くの浮名を流した画家が54歳にして結婚。以降彼女の死まで続く幸せな時代。その終焉とともに彼の画業も完結。
えっ、完結?随分ときれいにまとめられてる気が。。。
第2章 風景画
時計の針を戻して、主題を風景画に切り替えて第2幕。
「オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後」1862年。石橋から鉄橋への架け替えを舞台に、職人、船頭等の労働者を描いて、活況を呈するロンドンを活写。歴史の証人のような視点と、新たなパトロンを求めるしたたかさ。
「16点のテムズ川の風景エッチング集」1859年。前景に労働者と船、中景に川、遠景に街。練られた構図と、シャープな線描。上手い。
「肌色と緑色の黄昏:バルパライソ」1866年。閉塞的なロンドンから逃れて、チリへ。夕暮れの一瞬を捉えた色彩が美しい。予めパレット上に絵具を整え、のびのある絵具で日暮れ頃に一気に描いたというエピソードに感銘を受ける。
「ヴェニス、12点のエッチング集」1879/80年。ラスキンとの裁判で勝訴するも破産、ヴェニスにて再起を期す。その思いが伝わるような見事な刷り。
展示室を出て、共用部分に設置された仮設ブースへ。
「青と金色のハーモニー:ピーコックルーム」1876-77年。画家がデザインした内装を、壁面3面を使った映像で再現。デザインよりも、「クライアント不在中に勝手にデザイン変更、制作した上に内覧会まで開催。クライアントとの仲は決裂」というエピソードの方が印象に残る。その経緯にもかかわらず、本空間を手を加えずに使い続けたクライアントは、寛容というか、1枚上手というか。
次の展示室へ。
第3章 ジャポニスム
風景画展示をひとまず中断して、人物画のメインビジュアルを展示。
「白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール」1864年。本展のメインビジュアル。意外と小さい。モデルの横顔と、ガラスに映るななめ顔の表情の落差がすごい。なんというか、うんざりという心の声が聞こえてきそう。
「白のシンフォニー No.3」1865-67年。本展のメインビジュアルその2。白いソファに身を横たえ、手を置くポーズをとる二人のモデル。「古典古代を思わせる装飾的セッティングの中に人物を描く」構図は、まさに唯美主義 。
風景画再開。
「ノクターン:ソレント」1866年。薄く溶いた絵具で描かれた空と波、青トーン一色の静寂な世界。
「青戸銀色のノクターン」1872-78年。陸と海と船の境界がさらに不明瞭になり、深い霧に閉ざされていく。
「ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ」1872-75年頃。構図の参考となったであろう歌川広重「名所江戸百景のうち「京橋竹がし」」も併せて展示。大きく橋をクローズアップして、橋脚と円弧を描く橋の一部で画面を切り取る。水面に船と船頭、橋に人影。遠景に街の灯り。
ホイッスラー作品と浮世絵との構図の関連性を示す展示は他にも複数点。興味深い見せ方ではあるけれども、あまり多いと構図の相関性ばかりに気が行ってしまってかえって他の大切な点を見落としてしまう気もする。
ホイッスラー旧蔵品。アトリエのホイッスラーの写真はまさに、その男ダンディにつき。開き直りとも感じられる「敵をつくる優美な方法」の書名、愛用の蝶のサインが可愛い。
ミュージアムグッズは「髭押し」。中でもパパブブレキャンディは売れ行き好調で、1月中頃には売り切れそうとのことです。(再生産の予定なし)
油彩、エッチング、ドライポイント、水彩、リトグラフ。リアリズム、唯美、海景、浮世絵。多才で研究熱心な画家の多岐に渡る足跡を、質の高い作品で辿ります。絵画系統、時系列が若干混乱しやすいので、ある程度予習してから観た方が、より楽しめる展示だと思います。年末年始休暇のリラックスした一週間の最後を飾るにふさわしい、素敵なひと時でした。
-----------------------------------------------
□展示概要
会期:2014年12月6日(土)~2015年3月1日(日)
休館日:木曜日、2014年12月29日(月)~2015年1月2日(金)
開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)
※夜間開館:2014年12月22日(月)~12月24日(水)は20時まで開館
(入館は19時30分まで)
会場:横浜美術館
http://yokohama.art.museum/
主催:横浜美術館、NHK、NHKプロモーション
協賛:あいおいニッセイ同和損保、テラ・アメリカ美術基金、日本写真印刷
協力:FMヨコハマ、神奈川新聞社、首都高速道路株式会社、日本航空、みなとみ らい線、横浜ケーブルビジョン
「ホイッスラー展」公式サイト
http://www.jm-whistler.jp/
2015年01月03日
●リー・ミンウェイとその関係展@森美術館
森美術館で開催中の「リー・ミンウェイとその関係展」を観ました。1/4までの開催なので、ギリギリの滑り込み鑑賞。また、本展終了後にリニューアル工事のためしばらく閉館になる森美術館へも、滑り込み。
「プロジェクト・繕う(つくろう)」。観客から預かった衣服を、ホストトが繕い、壁に掛けられた色とりどりの糸と結び付けて展示。壁面のデザインも美しい。当日はホストとしてアーティストが在席し、観客とにこやかに対話しながら繕っていました。その柔らかな物腰と健やかな印象を受ける空間構成から、対話型アートを実践するアーティストの資質を感じました。
「布の追想」。公募で集められた思い出の品を収めた箱を、紐を解き、蓋を開けて観る。思い出を読む。そして再び蓋を閉じて、紐を結ぶ。とてもパーソナルな思い出を共有する儀式。
「ひろがる花園」。花を一本持ち帰り、来た道とは違う道から帰って、見知らぬ人に花を贈る。ハードル高いなーと思って見送ってしまいました。
「砂のゲルニカ」。砂に描いたゲルニカを観客参加で崩した後の状態。仮設の照明が舞台装置として効果的に見える。
展示を観るだけでは作品の半分も体験したことにならないくらいに、「観客参加型」という考えが徹底された展示でした。自分と他人との関係性をとても丁寧に作り上げていて、こんなアート、展示もあるのだなと感銘を受けました。
2015年01月02日
●博物館に初もうで@東京国立博物館
上野の東京国立博物館で開催中の「博物館に初もうで」を観ました。出かけるのが遅れた関係で、本館のみを足早に観て廻りました。
本館特別1室
~ひつじと吉祥~
羊の絵画は、半分は山羊が混同されている。日本に実物が広く伝わるのは明治時代以降とのこと。意外。そのためボリューム少な目。
本館2室(国宝室)
長谷川等伯「松林図屏風」。人越しに眺める松林図屏風は、すっかり正月の定番風景。下書き説等の謎解きに、今年は進展がありますように。
本館7室(屏風と襖絵―安土桃山~江戸)
毎年楽しみにしている屏風部屋は、今年は江戸絵画。安土桃山は京博に出張か?この部屋も大混雑。年々人出が多くなっている気がします。
狩野永祥「雪景山水図屏風」。ギザギザした雪山が何層にも重なって奥行きを出す表現が面白い。
伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」。個性ある鶏のポーズ集+点描の石燈籠。若冲水墨画の名場面集。
本館8室(書画の展開―安土桃山~江戸)
横長に広いので、落ち着いて観られるありがたい展示空間。
円山応挙「虎嘯生風図」。ふさふさした毛並み、クリクリした猫目。いつ観ても可愛い。
本館11室(彫刻)
「十二神将立像」(神奈川・曹源寺蔵)。特設ステージに勢揃いし、ポーズをとる12神将。戦隊モノの元祖に見える。
「鳥番長 上野昭和通り店」で新年会。焼肉のように七厘で焼きながら食べる鳥肉が美味しい。一羽丸ごとの解体、切り分けた肉も美味しい。なぜか東京オリンピックの開会式典ネタで盛り上がる。
続いて「鹿児島県出水市 赤鶏農協 御徒町店」で2次会。乾杯の時に、どこからか取り出したパーティーグッズのビールジョッキーで驚かせる演出が面白い。料理も美味しい。
2015年01月01日
●謹賀新年 2015
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします!