2014年03月29日
●荒木 愛 個展 [ I SPY ]@画廊くにまつ 青山
画廊くにまつ 青山で開催された 荒木 愛 個展[ I SPY ] を観ました。
青山通りから一本入った閑静な通り。打放しコンクリートにガラススクリーンを嵌め込んだ外観。外からギャラリーへと、空間が連続します。
右側の壁面。
真っ赤に熟れた西瓜がお出迎え。果肉の赤、種の黒、皮の緑が織り成す色彩のコントラスト。背景のパール色のキラメキが美しい。縦構図による、明快な色面構成。
その奥には、かじられた西瓜の横にチョコンと顔を出す文鳥。お前が食べたのか?
さらに奥には、黄色い西瓜のクォーター。黒背景に孤を描く金の描線が美しい。
岩絵具独特の美しい色彩と、粒子感による起伏のある画面。実物を観る楽しさを感じます。
右下の木箱に目を移すと、長円断面の球体に彩色された小鳥たち。ちょこんとたたずむ様が可愛い。
左側の壁面。
こちらは背景がグレーから黒系の作品が並びます。
LINE of RUMOR。箔と紙の重ねあわせで作られたメタリックな画面を、横切る枝。上に4羽、下に1羽の文鳥。一本の糸が、彼らにくわえられ、引っ張られながら、画面下まで伸びます。その先端は地に垂れて、糸に通したビーズが散乱しています。手間をかけた画面作りと、スケッチに基づく鳥たちの仕草から生まれる、緊張感と愛らしさ。そこに、人気SNSアプリを介してうわさ話が伝聞することの、便利さといい加減さが重なることで生まれる奥行き。
作品の配置はギャラリー側の仕事とのことでしたが、大まかに二系統に分けられた空間を、鳥たちが行き交うようにあちらこちらの画面に顔を出しているようで面白いレイアウトでした。
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