2013年04月24日
●「国宝 大神社展」ブロガー内覧会@東京国立博物館 平成館 その2
その1からの続きです。
※会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
第6章 神々の姿
彫刻史研究員 丸山士郎氏のギャラリートーク
「獅子・狛犬」滋賀・若松神社。狛犬がお出迎え。
「隋身立像」岡山・高野神社。矢をつがえる像と、弓をひく像。腕まくりをする姿に人間らしさが感じられるところが、仏像との違い。
「女神坐像」京都・松尾大社。神像の最初期は9世紀。吉祥天だがこわい顔つき。肌は白く塗った後があり女性らしさの表現も。
「男神坐像」京都・松尾大社。名前の分かる貴重な例。怖い顔。服装は当時の貴族。髭を一本一本書いている。人間みたいだけれども人間ではない神々しさを表す。
「女神坐像」京都・東寺。のぺーっとして目や眉も細い。人間と同じ肉体を持つ。
「男神坐像(伝武内宿禰)」京都・東寺。上半身裸なのは、以前は衣服を着せていたのでは?
10世紀に入ると大きな像が作られなくなる。拝殿の中に祀られるようになり、寺院のお堂に比べて建物が小さいので、像も小型化した?
神像は衣のひだを作らない。目を表さない。簡潔な表現。
「男神坐像」京都・大将軍八神社。金色で神を表す珍しい例。
「武装神坐像」京都・大将軍八神社。たれ目。人間をモデルにした表現。
「童子形坐像」京都・岩清水八幡宮。子供形の像も作られた。
「武装神坐像」奈良・勝手神社。平安時代の甲冑を忠実に写す。貴重な資料。
「男神坐像」「女神坐像」「童子坐像」広島・南宮神社。像が定型化した時代だが、皺の表現で年齢差を表す。非常にユニーク。
「小丹生之明神 和加佐国比古神(男神坐像)(女神坐像)」福井・若狭神宮寺。鎌倉時代に入って、非常に写実的な表現。
神の成り立ちから、名宝、神像のオンパレードまで。普段見られない部分をギュウギュウに凝縮した世紀の展示です。おそらく二度と観る機会はないと思うので、何はともあれ上野に出かけることをオススメします。
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