2013年01月21日
●白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ@Bunkamura ザ・ミュージアム
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」を観ました。Bunkamura ザ・ミュージアムでは珍しい、日本美術の展覧会。
出山釈迦
「隻履達磨」。紅白横ストライプの壁面を丸く刳り貫いた入口の奥に、頭でっかち、チョコンと片手に履を持った達磨さんの幽霊がお出迎え。
観音
「蓮池観音」。体を横にして頬杖をつき、胡坐(?)を組んで寛ぐ観音様。絹地に蓮の彩色が美しい。画面右手の文字は「衆生を救うはずの菩薩が俗世を離れた別世界にやって来て、骨休めしているとはいかがなものか」という意味だそうで、ユーモアたっぷりに叱責。
「地獄極楽変相図」。上部でノンビリ寛ぐ仏様、中ほどで過労死しそうなくらいセッセと働く閻魔様、閻魔様をぐるりと取り囲む地獄の数々。閻魔様の中間管理職っぽいポジションが、笑いと悲哀を誘う。
達磨
「横向き半身達磨」。ほぼ全面濃い墨で描かれた画面と、ギョロリと上を向く視線。強い意欲と、内包する不安が伝わってくるよう。
半身達磨。赤い僧衣に黒く細いまつ毛、薄墨で縁取りした瞳。「直指人心、見性成仏」の賛。ずいぶんと柔らかくなった表情と、ゆとりある色彩。
大燈国師
「大燈国師」。蕭白を思わせる人物描写。
布袋
「すたすた坊主」。満面の笑顔で手に笹と桶を持ち、代参する坊主。「すたすた」という音が画面から伝わってくるよう。
「布袋吹於福」。キセルを手にした布袋様と、煙から現れるお福。体をくの字に曲げてお腹を突き出す布袋様の脱力ポーズも決まってる。ユーモアタップリの画面と、殿様が絹を持参して絵を請うたというエピソードの組み合わせも面白い。
戯画
「渡唐天神」。南無天満大自在天神のむりやり当て字感が楽しい。
「一富士二鷹三茄子」。富士と茄子は分かるとして、鷹はどこだと探してしまいました。
墨蹟
「百寿福禄寿」。画面中心の寿老人が、セッセと「イノチナガシ」と描き続ける百寿図。ちょっとした機転に、とても親しみが沸く白隠マジック。
一万点以上の書画を遺したといわれる白隠慧鶴。その中から大作を中心に、選りすぐりの100余点を集めた展示。ユーモア溢れる画面に親しみ、賛に込められた意の深さに少し触れて、見応え十分です。
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