2012年12月28日
●12月の鑑賞記録
12/2
維新の洋画家―川村清雄@江戸東京博物館
御庭番名門の家系に生まれ、幕末から明治初期を生きた油絵師の回顧展。「形見の直垂(虫干)」しか知らなかったけれども、徳川家を中心とした人物関係や、黒田派閥に居場所を追われる展開等、大河ドラマのようでした。
ブリヂストン美術館ナイト@ブリジストン美術館
東京都駅至近の名門美術館が、アートファンとの交流を深めるべく動き出した今年のトリを飾る企画。スライドによるブリジストン美術館黎明期の説明が良かった。ブリジストンvs三菱一号館学芸員対決等、企画意欲満々。詰め込みすぎで、内覧会は要らない気もしました。
12/8
巨匠たちの英国水彩画展@ Bunkamura ザ・ミュージアム
最終日前日、三重ほどの人垣。大気を感じさせる光の表現が印象的なターナーを始め、パステルのような表現等、多彩な題材と表現をサクサクと観ました。
リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝@国立新美術館
バロック・サロンの豪華空間にひたり、アメリングの赤ちゃんの寝顔に癒される。観た後の爽快感が気持ち良い展示でした。
12/9
◎『日本美術全集』発刊記念≪スペシャル対談≫「日本美術を体感する~若冲を中心に」
辻惟雄先生(MIHO MUSEUM館長・東京大学名誉教授)×山下裕二先生(明治学院大学教授)@丸ビルホール
「日本美術の歴史」発刊の際の辻惟雄先生×山下裕二先生の対談記録を後で読んで以来、是非ともライブで聞きたいと思っていたお二人の対談が遂に実現!本の売れないこの御時世に、全20巻の美術全集を刊行する版元の決断が素晴らしい。若冲が大フィーチャーされる江戸絵画の巻は、遂に奇想が天下を取った感あり。同時に、来年に愛知県美術館で大乗寺応挙襖絵完全再現展示の告知もあり、こちらも楽しみ。最終巻では会田誠、村上隆が大プッシュされ、現代美術作家が日本美術の歴史に連なっていることを示すという構想も期待大。三年半後の完結がとても楽しみ。
12/15
森と湖の国 フィンランド・デザイン展@サントリー美術館
日用品に宿る美を、時系列を縦軸に、美しいショーアップを横軸に構成された展示。建築家としても著名なアールト、息を呑むほど美しいシャンタレーリなどなど。日用品をオブジェ化したインスタレーションも美しい。
Gift in Bloom vol.4 展@銀座三越
荒木愛さんの展示を、作家さんに説明してもらいながら鑑賞。点描画タッチで生気ある果物画。白画面から削り出された、舞い散る蝉。御舟の炎舞を思わせる。そして、密度濃く構成された人物画。作家の過去作品から、来季への試行まで。飛躍を期待させる展示でした。
12/23
◎篠山紀信展 写真力@東京オペラシティ アートギャラリー
草間弥生と坂東玉三郎が並び立つ仁王門を潜り、It's a MAGIC! 軍団の右壁、それに負けない後藤久美子大増殖の左壁。凝縮された輝きの密度は、まさに SPECTACLE !。一瞬を平面に定着させる「写真」メディアの面目躍如!
メニーメニーミッフィープレミアム@池袋西武ギャラリー
明確なルールで構成されたミッフィーワールドは、ブルーナさんのプロフェッショナルワーク。更に、展示よりも圧倒的に滞在時間の長い物販。すごいパワー!
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