2012年11月12日
●須田悦弘展 公開制作@千葉市美術館
千葉市美術館で開催中の「須田悦弘展」、「須田悦弘による江戸の美」を観ました。氏の作品は絶巧の木彫りの草花と、それを用いた空間インスタレーションからなり、一度観たら忘れられない一期一会の体験を作り出します。今回は8Fと1Fで「須田悦弘展」、7Fで「須田悦弘による江戸の美」と、豪華2本立て、3会場での展示です。まさにファン垂涎の企画、ありがとう千葉市美!
8F 展示室1。3つの体験型展示+1が並びます。そのうち2つは1度に1人しか体験できないので少々待ちますが、どんな体験か想像している間に順番が来ます。
千葉市美所蔵作「泰山木」。緩やかにカーブする壁面アプローチが効果的。
キービジュアルにもなっている「芙蓉」。漆黒に浮かぶ神々しいまでに美しさ。
大山崎山荘美術館でも観た「睡蓮」。遠距離出張で少々くたびれ気味。
展示室2。さりげなく、「バラ」。照明で影になるのが惜しい。
展示室3。初期作「銀座雑草論」、「東京インスタレイション」がドン、ドンと鎮座。金貼りの奥に、雑草を生けた極小の花瓶。空に浮かぶ花弁、台上に赤い実、地に落ちた花弁。体験できて感激。東近美から「百合」も参集。
展示室4。壁面のガラスケースには何もない!?ファンにはおなじみの作品探し。
7F。本展のためにデザインされた展示ケース。浮世絵の名品や刷り物を、上から間近で鑑賞。ピンクや紫の美しい色彩や、箔押し、金・銀・雲母等のキラメキがクッキリと。展示室を進むと、さりげなく須田作品がコラボレーション。まるで絵から飛び出た様な絶妙な配置に顔がほころびます。長澤芦雪「花鳥蟲獣図巻」。すずめがチュンチュン米粒をついばんでおっとっと。「椿図屏風」。ハラリと落ち椿。裏面にもさりげなく。
1F さや堂。展示は4ヶ所。宝探しのようで楽しい!
この日は公開制作。11階講堂の片隅で、須田さんが「雑草」を制作されていました。その周りを3重くらいに囲んで、固唾を呑んで見守る観客。閉館後に完成した作品を展示室に設置して終了。まさに作品が生まれる瞬間。100人ほどの観客から拍手が起こりました。
絶対に忘れられない体験になります。必見の展示です。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/963