2012年07月28日
●イサムノグチ庭園美術館
7月最後の週末。思いがけず連休になったので、かねてから行きたかったイサムノグチ庭園美術館へ出かけることを思い立ちました。本来はハガキによる予約が必要ですが、前日の15時以降にまだ空きがあれば電話による予約も可能です。
最寄駅のことでん八栗駅から徒歩20分。受付棟に到着します。ここで入館料を払い、ツアーの定刻まで待ちます。
定刻になると、徒歩数分のアトリエから見学開始。見学時間はアトリエとイサム家+彫刻庭園を30分ずつの、だいたい1時間程度です。
以下、鑑賞メモです。
□アトリエ
作業蔵
雨の日にここにこもって研磨作業を行うこともあったらしい。
内部にはグラインダー、サンダー、板ガラスが点在する。
滑り台の模型も置かれている。
石壁サークル内屋外展示
庵治石を積み上げた石壁サークル「まる」に包まれた創作展示空間。
個々人それぞれに感じ取ってもらえるよう、説明書きは一切ない。
いつ先生が戻って来ても、すぐに創作活動を再開できるよう配置。
完成品も未完製品も並列して配置。サインの有無で判別。
未加工の部分、石を割った面ままの面、円滑に円筒状に刳り貫かれた面など、様々な状態が混在します。
展示蔵
大きく開いた開口部が生み出す、光と影のコントラストと奥行き。
加工面と素のままの肌合いと加工された滑面とのコントラスト。
内部は2/3ほど2階(天井裏?)あり。
磨き上げられた作品と土壁、木柱の対比。
巨大なエナジーヴォイドの存在感。
石と建築と光と風が一体になった世界。
□イサム家
玄関及び格子窓から覗いて見学。
丸亀の豪商の家を移築。
畳の高さを下げてベンチ状に使う。その下に床暖房。
土間及び居間中央に置かれた黒テーブルの存在感が美しい。
と同時に、高さ的に実用面では?マークが浮かぶ。
居間越しに見える竹林が美しい。
居心地良さそう。
□彫刻庭園
階段を登って右手に石舞台。
山すそを渦巻くように白砂利が敷かれ、導かれて山を廻る。
山の上に卵形の石。イサムノグチがたいそう気に入っていた。
屋島と海の眺めが素晴らしい。
水の流れを表現した石組み。始めは細かく、次第に荒々しくなり、最後は荒々しい大石。
自然と彫刻と建築が一体化した、環境空間というべき世界を作り出しています。
とても記憶に残る体験でした。
イサムノグチといえば、谷口建築。というわけで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へと足を延ばします。
立体的に積み上げたアート関連の諸機能を回遊する楽しさが素晴らしい。
カスケードプラザに設置されたイサムノグチ作の彫刻。
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