2012年04月30日
●4月の鑑賞記録
4/6
○望郷/山口晃展 TOKIO RE(I)MIX 山口晃トークショー@メゾンエルメス8階フォーラム
とてもアットホームで楽しいトークでした。安心の面白さ。
4/8
○ボストン美術館 日本美術の至宝@東京国立博物館 平成館
三条殿夜討の迫力と、蕭白の技量が素敵。
4/21
山口晃氏講演「セザンヌは山をどこから描くか」
4/26
望郷/山口晃展 TOKIO RE(I)MIX 「望郷 街の記憶」 山口 晃(アーチスト)×槻橋 修(建築家、神戸大学工学部准教授)@メゾンエルメス8階フォーラム
対談は外れが多いかも。。。
4/27
蕭白ショック!!曾我蕭白と京の画家たち(前期)@千葉市美術館
4/29
○毛利家の至宝 国宝・雪舟筆「山水長巻」@サントリー美術館
待望の山水長巻一挙公開!
ザ・リッツ・カールトン東京 タワーズグリル
4/30
KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」@根津美術館
燕子花図と八橋図、夢の競演。
ウォルトディズニー展@松屋銀座8階イベントスクエア
物販の充実ぶりがもの凄かった。展示も意外としっかりしていて興味深かった。
2012年04月20日
●セザンヌ -パリとプロヴァンス@国立新美術館
「セザンヌ -パリとプロヴァンス」を観ました。「大回顧展モネ」で華々しく開館した国立新美術館の開館5周年展です。セザンヌといえば2008年に横浜美術館で「セザンヌ主義」が開催されていますが、内容は画家が後世に与えた影響の展覧会でした。今回は「100%セザンヌ」です。パリとプロヴァンスを軸に、セザンヌの創作の軌跡を辿ります。
I 初期
「四季」。「えっ、これがセザンヌ?」。古典的な装飾画と、若き日のセザンヌがこの絵をきっかけにパリでの美術学習を許されたというエピソードとの対比に、セザンヌも始めからセザンヌじゃなかったんだなあと納得。
II 風景
「首吊りの家」。前景の道路がV字形に沈み込み、遠景に山の水平線が広がる大胆な構図、細かく色面に再構築される画面。画面に漲る明るさが、印象派の影響を思わせます。
「サンタンリ村から見たマルセイユ湾」。寒色系で再構成される海と空、その間に大きく食い込む土と緑。
「マルヌの川岸」。水平に伸びる道と川、垂直に伸びる木、幾何学的な建物群。色面で再構築された画面の見事な統一感。
「サント=ヴィクトワール山」。空間を意識して置かれた色面が、景色を再構築し、結晶のような美しさに至る。
ただ、壁の緑色があまりに濃くて、目が疲れます。
III 身体
「3人の水浴の女たち」。単体で観るとあまりにドッシリとした女性のプロポーション。全体で観ると、色彩とタッチと構図の調和がとても美しい。
IV 肖像
「同じ姿勢をとり続ける」ことにモデルの価値を見い出すセザンヌ。モデルも大変そう。
「アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」。そんなセザンヌを見い出す敏腕画商の肖像画。サイズも一際大きく、100回以上もポーズを変えさせられたというエピソードもさすが。
V 静物
「りんごとオレンジ」。大判のカンヴァスに緻密に仕上げられたりんごとオレンジの見事な質感、背景のプリント生地の山のような形態、前景の白布の鋭角的な折れ曲がりとダイナミックなボリューム。吸い寄せられるように見入ってしまう大作。他の作品が本作のための布石に見えるほどに、飛び抜けた存在感を放つ。
「青い花瓶」。背景の青と花瓶の青。縦に切られた瓶や斜めに横切る水平線が、眼を惹き付けて離さない。
VI 晩年
「5人の水浴の男たち」。こちらはスラリとした頭身を持つ、肉付きの良い5人の男たち。色面の溶け込むように解体気味の背景。ボリュームの捉え方が柔らかくなったような印象を受けます。
「レ・ローヴのアトリエ」。アトリエを特徴付ける側面二方向からの自然光を体験したかったです。
「100%セザンヌ」は看板に偽りなしですが、絵は小ぶりな物が多く、大回顧展というよりも「セザンヌの絵の変遷を辿る秀作展」の趣きです。正面から見ると反射で作品がとても見難い照明セッティングと、目を疲れさせる濃い緑の壁色選択という会場構成に疑問を感じました。
2012年04月14日
●リトライ東京・ハーフ
桜から新緑に変わる4月の第二土曜日に「リトライ東京・ハーフ」を走りました。シーズンの最後に、来年こそ東京マラソンを走るんだという気持ちを込めてエントリーしました。今季はペースを崩してばかりだったので、全体を通して走りきることを目標にしました。そのため21kmを序盤、つなぎ、ラストと7kmx3本走のつもりで走ることと、行けると思ってもグッと抑えることを意識しました。
当日の天気は、前日から10℃近くも気温が下がる冷え込みと、一日中降り続く雨。雨対策としてツバつき帽子を用意しましたが、レインコートを忘れてしまい、半袖Tシャツと短パンで走ることに。スタート前のずぶ濡れ状態が堪えました。スターターは藤原新さん。東京マラソンが生んだヒーローの登場に、参加者から歓声が上がります。「僕もこんな雨の中、走ったことがあります。2010年の東京マラソンです。意外と走れるものです。頑張って下さい。」そしてスタート。
序盤の7km。コンディションを確認しようと思ったけれども、雨と風で全然ペースが分かりません。1時間30分のペースメーカーについて行こうと思うも、ペースが上がらず。7km地点が近くなった頃に雨が小降りになってきて、Nike+GPSの音声が聞き取れるようになりました。ペースは4分30秒/kmを少し切るくらい。思ったよりは良いペースでした。
次の7kmはつなぎ。ペースを維持しつつ、後半への余力を意識します。折り返し点のタイムは46:50。今回も1時間30分は遠かったなあと思いつつ、「走りきる」という目標を思い起こします。雨が小降りで安定してきて、走りやすくなりました。
ラスト7kmはペースも安定して、気持ち良く走ってゴール。タイムは1:33:08で108位でした。後半の方が少し早くなって、4分24秒/kmで走りきりました。タイム的な進歩はありませんでしたが、後半をテンポ良く走れたのは良かったです。来シーズンに向けて、あと9秒/kmのスピードアップを図りたいです。
反省点はレース後に体調を崩したこと。レインコートを忘れて、レース前に風雨に打たれすぎました。防寒防雨もしっかりと準備する必要があります。
2012年04月02日
●Shuffle II@ART FAIR TOKYO 2012
ART FAIR TOKYO 2012の一環として開催されたShuffle IIを観ました。古典の名作と気鋭の新進現代アートが対峙する「Shuffle」シリーズの第二回展。前回の白金アートコンプレックスから東京国際フォーラムに場を移しての開催。
最終日の閉展1時間前に滑り込むと、Shuffle IIブースは混雑のために入場規制がかかり、建物の外まで行列が伸びていました。20分ほど並んで入場。中央に縄文土器を円環状に据えて、その周りを彫刻、さらに壁周りに絵画を並べる明快な構成。
右手に折れると神戸智行さんの新作が4点!神戸さんのファンなので、去年末の個展からほどなくして新作が観られるのが嬉しい。ミニ屏風1点、小品2点、大作1点。独特の質感の岩肌に、繁る緑、羽を休めるトンボ。
反対側の壁には円山応挙「虎図」。猫虎カワイイ!左右が切れているので、もとは襖絵だったのでしょうか。キュッと締まった良いトリミング。
間には立体が並びます。「神像」、本堀雄二「BUTSU」、佐々木誠「祖形(ヒトガタ)」。古美術とダンボール仏像の対比は前回に続いて登場。そして佐々木さんの超絶木彫りアート。異様な迫力がスゴイ。
縄文タワーをはさんで反対側へ。
四天王立像、仏手と古美術に挟まれて、森淳一「coma」、佐々木誠「八拳髭(ヤツカヒゲ)」。森さんの作品は再見。佐々木さんの作品は古美術と間違えるほどのドッシリとした存在感。大顔の裏側には祠があって、その構成も魅力的。
山口英紀「右心房・左心房」。観れば観るほどスゴイ水墨表現。写真のコラージュにしか見えません。
前回が「対比」なら、今回は「競演」。現代アートが粒揃いで、本当に見応えがありました。