2011年02月15日
●酒井抱一生誕250年 琳派芸術 第2部 転生する美の世界@出光美術館
先週末から出光美術館で始まった「琳派芸術 第2部 転生する美の世界」。評判が良いので早速出かけました。
1章 琳派の系譜
鈴木其一「三十六歌仙図」。時空を超えて、35人の歌仙が大集合!華やかで目出度い雰囲気が何より楽しい。黒の束帯姿の歌仙をS字に配置した縦構図が、流れるように視線を誘導する。緻密な描表装にもビックリ。
俵屋宗達「伊勢物語 武蔵野草子、若草図色紙」。後期展でも、俵屋工房と宗達が脇を固める。追っ手に追いつかれてどうしようと歌ったり、妹を恋しいと歌ったり。色男業平、大人気なのだなあ。
酒井抱一「八ツ橋図屏風」。私淑した光琳の八ツ橋を更に洗練させた燕子花の配置。雨に濡れるがごとく緑を滲ませた木橋。ジグザグに折られた紙面が、雨の中を歩くような不思議な時間感覚を生み出す。ここからが開幕といわんばかりに、抱一登場。
2章 薄明の世界
酒井抱一「紅白梅図屏風」。銀地の凍える世界に、凛と立つ紅梅。柔らかに枝を伸ばす白梅。屏風の中の世界に自生するような梅の存在感が圧巻。その美しさに涙が出た。
酒井抱一「四季花鳥図屏風(裏・波濤図屏風)」。机上に飾れそうな、お手軽サイズの屏風。持って帰りたいと、みんなが思ったはず。
3章 抱一の美
酒井抱一「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」。華やかな花、彩色美しい小鳥、うっすらと漂う抱一グリーン。抱一の品良く柔らかな感性が画面を満たす。その美しさに溜息。
4章 其一の美
鈴木其一「桜・楓図屏風」。右下に満開の桜花、左上に緑の紅葉。季節を統一し、花のみで桜、幹を強調した紅葉と対比性を強調する構図。抱一の下で磨いた技巧+多少「奇」を含ませた世界観。
鈴木其一「四季花木図屏風」。風にそよぐ牡丹が妙に生々しい。色彩も派手で、まるで熱帯のよう。
とにかく「八ツ橋図屏風」と「紅白梅図屏風」のダブル大作が圧巻。酒井抱一生誕250年と銘打つだけあって、主役は抱一。抑制の効いた展示空間と相まって、とても魅力的です。「第1部 煌めく金の世界」の3倍はパワーアップしたと思います。
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出光美術館(千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階)
「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 第2部 転生する美の世界」
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