2010年11月23日
●LLOVE@旧代官山iスタジオ
旧代官山iスタジオで開催されたホテル型展覧会「LLOVE」を観ました。1968年に奈良県渋谷寮として建設され、2005年10月に奈良県代官山iスタジオ(情報発信+宿泊施設)に改装され、2009年末に閉鎖された建物を活用して、オランダと日本の建築家がホテルに見立てたインスタレーションを展開する企画です。実際に宿泊も可能だそうです。建物は解体して土地を売却する予定だそうなので、見納めと思って最終日に滑り込みました。
302号室 永山祐子。床に白砂利を敷き詰め植栽を配するワイルドな発想が、ちゃんとインテリアとして成立している。夜は寒そうだけれども、野性に目覚めるからちょうど良い?
304号室 中村竜治。客室の上に池を浮かべる驚きの発想と、それを物質化する半透明ロープ。知的操作のような構成とは裏腹に、池からヌーッと顔を出すように起き上がるシーンが想像できて愉快だった。
305号室 ヨープ・ファン・リースハウト。部屋には手を加えず、室内にオブジェを置くことで空間を異質化。ベッドの脚がアートワークであることを主張していた。
306号室 ショルテン&バーイングス。障子にパンチングメタルをかぶせ、壁面にピンクの壁画を描き、壁際に桶?を並べたり。展示スペースのような白い空間。
307号室 リチャード・ハッテン。ストライプ柄でカラフルに埋め尽くされた壁面。一種のラッピングアートワークのよう。
308号室 ピーケ・バーグマンス。床から壁へ、マットが大きく躍動する!色味を抑え、丸窓のある空間は、まるで墨絵のよう。
日本の建築家が空間を拡張するのに対して、オランダはの建築家は空間に異物化するアプローチに思えた。「泊まりたいか」という視線で観ることが新鮮でした。泊まってみたいと思ったのは302号室と307号室。泊まり方に一番興味が湧いたのが304号室。PVのように、ボールを転がしながら一晩過ごすのだろうか。
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はじめまして。だいぶ前にそちらのTwitterをフォローに加えた者です。
LLOVEは自分も終了前々日に少しだけ観ました。
iスタジオは奈良県寮時代から知っていた建物なのですが、解体されてしまうのですね…
今回のような展覧会、今後もどこかしらで開催されて干しいものです。
すみません、前コメントの最後、
「干しい」ではなく「ほしい」でした…
minamimusashi様>
はじめまして。
Twitterフォローさせてもらいました。
奈良県渋谷寮はあの一帯で異質でしたね。iスタジオに改装したときは、それまで窺い知れなかった内部が見られて興味深かったです。奈良県のアンテナ・スペースとして繁盛して欲しかったなあ。
土地はまだ買い手がついてないようですが、小奇麗なマンションが建つんでしょうね。