2010年07月11日

●束芋 断面の世代@国立国際美術館

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 国立国際美術館で開催中の「束芋 断面の世代」展を観ました。ジメジメした天気と不整形なオブジェも展示にマッチしてる?

 1.団地層
 クッションに横たわって、天井のスクリーンを見上げる。団地の外観が透けて、個々の領域が詰め込まれた断面が浮かび上がる。そしてその内臓物がポロポロと降ってくる。

 2.団断
 上から見下ろし、中間が抉れた形のスクリーン。寝室、居間、玄関、浴室、共用廊下。視点が移動しながら、各室で不可思議な現象が現れる。鳩が飛び込み、血塗れのシーツのある寝室。モニターから水が溢れ、キノコが生える居間。冷蔵庫に消える男性、トイレで洗顔する女性。浴槽に溺れる女性、洗濯機から回転しながら登場する女性。共用廊下を介して個々の領域が繋がる。レトロチックな彩色とカビの生えそうな独特の質感。

 3.悪人
 女性の髪が切れた電話線へと変貌。湿気と精気ある線描と、その中身の変質が、不思議な世界観を作り出す。

 4.油断髪
 女性の前髪が、スクリーンとなり、人型となる。変幻自在な線と、賑やかな音楽による人生劇場。

 5.ちぎれちぎれ
 雲が流れる空と、空が鏡に映りこむ地。その間に、手術台のような円筒に横たわる人物。両界が繋がり、空を流れる事象が手術台へと移動し、バラバラになった人物の破片が空へと落ちてゆく。全体を見渡そうと前へと進むと空が見えない。

 6.BLOW
 足元から湧き上がる水泡、水面下の骨格。水面を超えると同時に変質して肉付けされ、花が咲く。観客を包み込むようなスクリーン配置が、臨場感=触感を高める。

 暗くした会場内を足元灯で誘導し、円を描くように配された作品を巡る。ちょっと分かり難いけれども、工夫のある動線計画も良かった。

 艶やかな線描と、湿り気のある色彩。「断面」という立体的な舞台装置。空いていることと相まって、一つ一つの作品とじっくりと対話できて良かったです。

Posted by mizdesign at 2010年07月11日 23:19
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Tracked on 2010年10月13日 18:05
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