2010年04月12日
●大遣唐使展@奈良国立博物館
吉野山を後にして奈良に移動、奈良国立博物館で開催中の「大遣唐使展」を観ました。
第一部 波濤を越えた日中交流
観音菩薩立像と聖観音菩薩立像。気品ある顔立ちに写実的なプロポーションと薄い着衣表現。美しいお腹周り。
井真成墓誌。その才を惜しむ文章が胸を打つ。
諸尊仏龕。空海が将来したと伝わる、超絶技巧の携帯仏。その小ささ、細工の細かさ、25体もの仏様が詰まった密度に目が釘付け!
吉備大臣入唐絵巻。本展の主役。遣唐使を足がかりに出世を極めた吉備真備を主人公に、帰国の夢を果たせず唐に骨を埋めた阿倍仲麻呂をサブキャラに据えた英雄譚。次々に降りかかる難題の対処法が意外と姑息で共感が湧く。第一巻と第四巻の公開。
照夜白図。驚きの墨絵。ぼかし画の上手さと保存状態の良さに目が釘付け。
三彩花文枕、三彩枕。遣唐使が命がけで将来した三彩の品々。その美しさのみならず、伝来の背景を知ることで作品に対する親しみが湧いた
真備、真成にスポットを当てる導入から、超絶技巧の携帯仏、吉備大臣入唐絵巻、驚きの照夜白図、命懸けで将来された三彩。息をつかせぬ怒涛の展示に見とれた。
第二部 国際都市長安と唐代宮廷文化
如来三尊像。左右菩薩の腰のくびれが、本展冒頭の観音菩薩立像を思い起こさせる。両者の共通点に大陸の最新モードを移入、吸収昇華する熱意を感じます。
十一面観音立像。気品ある顔立ちに、スラリとした直立姿勢に見蕩れた。思いがけず閉館30分前の鐘が鳴って慌てた。
第三部、第四部、第七部 ドキュメント遣唐使
第二会場に移って、遣唐使縁の品々を展観。駆け足鑑賞になったのがもったいなかった。
第五部。正倉院の時代 宝物の源流と奈良朝の工芸品
正倉院宝物は去年じっくりと観たので、今回は軽く流した。
第二展示室は駆け足で観たけれど、メインはやはり第一展示室。ドラマ性の高い展示がとても魅力的。意外と空いているので、じっくりと観られます!
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