2010年04月04日

●2月、3月の鑑賞記録

2/7
 百草冬百種展 金沢から@百草
 BRUTUSに安藤雅信さんの自邸が載っていたので興味が湧いた。設計は中村好文さん。百草はその横にある古民家を改装したギャラリー+中村好文さん設計のカフェ。カフェで玄米コーヒー豆乳ラテ+百草のおやつをいただきました。小さいながら居心地の良い場所でした。

 山口晃 天井画@清安寺
 木地に墨の質感が素敵で、思わず長居をしてしまいました。

2/13
 睡蓮池のほとりにて モネと須田悦弘、伊藤存@大山崎山荘美術館
 須田さんの睡蓮は最高に良いです。カーペットの白砂に黒板の水盤。写り込む睡蓮。新旧の建物が刺激しあって魅力を深める空間が素晴らしい。

 京都オープンスタジオ2010 桂スタジオ、うんとこスタジオ、豆ハウス、AAS。作家さんのスタジオを展示会場として開放する意欲的な試み。VOCA展入賞者や、ギャラリーで展示をされている作家さんたちが参加されていて、とても魅力的でした。同道したlysanderさんが、iphoneをナビにして自転車で街中を疾走したのも良い思い出。

2/21
 北宋汝窯青磁 考古発掘成果展@大阪市立東洋陶磁美術館
 北宋汝窯青磁展はちょっと予習不足だった。安宅コレクションの迫力はさすが。陶片に描かれた青磁象眼文様の静かな躍動感と色彩が素敵。

 絵画の森 ゼロ年代日本の地平から@国立国際美術館
 花澤武夫「ゴールドベルク」の荒々しい緑、水流、水盤の構成がパワフル。加藤美佳「カナリア」の黒い瞳と光沢ある唇も現美で観るより素敵。池田光弘の橋の上に草原が乗る絵も幻想的で素敵。杉戸さんの幾何的な絵と、その反対側の絵の白い斜め線に惹かれる。大きく変化する00年代具象絵画の地平を探らんとする質、物量揃えた企画展。でもブースで小分けした閉鎖空間を「庭」とは呼ばないと思う。

 森川穣「確かなこと」@京都芸術センター
 時間の堆積をスリットから覗き込む。仕掛けが明快で宝探し気分が楽しい。貝殻が見つけられなかった。

2/27
 あいちアートの森 豊田プロジェクト 知覚の扉II@喜楽亭

 和風旅館のグリッド+時間の堆積と、現代アートのビビッドな感性がお互いを引き立てます。 庭には白梅と椿。

 あいちアートの森 豊田プロジェクト 知覚の扉II@豊田市美術館
 喜楽邸の時間の堆積に対して、こちらは建築家の構想力で和空間を構成。アートを通して二つの空間の共通点が鮮やかに浮かび上がる。カバコフの鏡に断片化される中庭の景色は都市のよう。歩くに合わせてピタリピタリとフレームインする景色は映画のよう。しかも周辺環境と接続している。豊田市美の空間構成は本当にすごい。

 愛知県立芸術大学
 「吉村順三展」で見ようと思って以来、幾星霜。ようやく巡礼。長大なボリュームが宙に浮く講義棟が背骨のよう。プレコン庇の外廊下を横軸に各棟が連結。リニアな構成は明快、歩行シークエンスは未消化にて退散
 
 愛知県立芸術大学卒業・修了制作展@愛知県美術館ギャラリー
 閉館30分前に飛び込んで、3秒ルール適用でサーッと観て回った。それでも目に飛び込んでくる作品があって、アートの力って凄いなと思った。油絵が面白かった。

3/6
 没後10年 小倉遊亀展@兵庫県立美術館
 才気煥発お絵かき大好き少女が、困難を乗り越え画家になるサクセスストーリー。戦後の精気溢れる女性像が素敵。長寿なところも素敵。人物画の次は静物画。陶器と花の組合せが好きなので見入ってしまった。結局2時間コースでした。

 修二会おたいまつ@東大寺二月堂
 大炎上する松明、どよめく境内、爆ぜる音、充満する煙の匂い。大迫力の炎のイベントに大満足。終了時に拍手で沸いた。

3/14
 没後400年 特別展「長谷川等伯」@東京国立博物館平成館
 一巡目。逆回り鑑賞で意外とゆっくり観られる。小品ガラスケース前は4層くらいの人混み。内容充実で観て楽しい。二巡目。大徳寺金毛閣の再現、桧原図屏風が特に良かった。三巡目。春信の精緻な筆遣いをじっくりと観る。加賀の絵仏師が上洛して狩野と競い、墨絵を極める一代記を堪能しました。

 洛中洛外図屏風 舟木本@東京国立博物館ミュージアムシアター
 期待のVRシアター。過去の京都町並俯瞰動画がいつ登場するか、今か今かと待つも、静止画中心だった。あれだけの人物を動かすわけにはいかないと分かってはいても、つい期待してしまう。

 フランク・ブラングィン展@国立西洋美術館
 オーソドックスなデザインスタイルから、強い日差しの下での鮮やかな色遣いへの変化。松方コレクションとの関わりから、共楽美術館の構想へ。練り込まれた会場構成と、共楽美術館を原寸で再現する展示方法。西美でしかできない展示を丁寧にやり遂げた、お手本のような展覧会。

 所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後@国立西洋美術館
 モロー水彩画の幻想的な美しさにうっとり。

 ボルゲーゼ美術館展@東京都美術館
 カラバッジョ「洗礼者ヨハネ」の鮮烈な赤が印象的。ラファエロ「一角獣を抱く貴婦人」のユニコーンはちょっと。。。ボッティチェリは印象に残ってない。。。

 VOCA展2010@上野の森美術館
 中谷ミチコの水の揺らぎのような見え方が素敵。ましもゆきの細密な書き込みも良い。

 大哺乳類展@国立科学博物館
 剥製と骨格の大物量展示は圧巻。鹿類の角のバリエーション、三大珍獣、ジャコウネズミの可愛いキャラバンまで。様々な角度から好奇心を刺激してくれます。後半のシートン動物記も絵とテキストの合わせ技が魅力的で、時間が足りないのが残念だった。

3/20
 尾張徳川家の雛まつり@徳川美術館
 等伯が参考にしたといわれる「洞庭秋月図」伝牧谿を観に出かけるも、出展されてなかった。犬人形の愛嬌のある顔立ちと、驚くほど大量の嫁入り道具のミニチュア群が印象に残った。

 植物化石-5億年の記憶-@INAXギャラリー名古屋
 石に刻印された葉脈のフィンガープリントが、美しいアートワークに見える。

3/28
 歴史を彩る 教科書に載る名品@藤田美術館
 素晴らしいコレクションは眼福の一言。曜変天目独り占め。

 マイ・フェイバリット--とある美術の検索目録/所蔵品から@京都国立近代美術館
 読み込みに少々手間がかかりますが、「観る」ことが「知的操作」のようで好奇心をかきたてられます。

Posted by mizdesign at 2010年04月04日 19:03
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