2010年03月02日
●あいちアートの森 豊田プロジェクト 知覚の扉II@喜楽亭
あいちアートの森 豊田プロジェクト 知覚の扉IIを観ました。会場は「喜楽亭」と「豊田市美術館」の2カ所です。(後編はこちら)。
前半は大正和風建築「喜楽亭」。
中西信洋《Layer Drawing - 16x16》。玄関入って左手障子越しに、畳の間にズラリとアクリル箱が並ぶ様が覗きます。ホノ暗い空間と、アクリル箱を照らす光の組み合わせが美しい。
和田みつひと《仕切り、囲まれ、見つめられる》。廊下の先に広がる、黄色い光に満たされた回廊状の縁側。時間軸がボケたような幻想を覚えます。
小島久弥《1/120》。2階に上がった奥まった座敷に、シャッターで自動調光される自然光と、床の間に置かれた水を張った石庭。シャッターのジーッという機械音と、石庭水面の繊細な変化の対比が印象的です。
名知聡子《依存症》。三間続き間の真ん中。床の間から垂れ下がるように覗く女性の頭部と手、違い棚に置かれた小さな仏具。壁を画面に見立てる演出が、空間に奥行を与えます。
荒神明香《室内灯内室》。その左手の間。部屋と廊下を照明器具内に再現。入れ子空間に迷いこむような錯覚を覚えます。
山極満博《ちいさな展示室》。白梅と椿の咲く庭園に、さりげなく配されたアートワーク。宝探しのようで楽しいです。
畳、床板、塗り壁、柱梁といった時間の堆積を感じさせる空間と、軽やかでひねりのある現代アートの共演。光の演出を通してお互いの魅力を引き出しあう構成がとても魅力的です。
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こんばんは
普段は建物にばかり目がいくんですが、お写真を見ていてゾクゾクいたしましたよ。
小島久弥さんの作品、二階の奥まった座敷と言うのが何やら凄みを感じさせますね。
そして名知聡子さんの女、あまりに怖くて、その場にいられるかどうか自信がなくなりました。
舞台が近代和風建築だからこその「しつらえ」なのかな、とも思いました。
これが近代洋風建築なら作品のありようも異なるかも・・・・
遊行七恵様>
こんばんは。
名知さんの作品は写真で観るととても怖そうですが、実際はスタッフの方がおられるのでもう少しソフトな感じです。
大正和風建築と現代アートは相性が良いですね。