2009年09月01日
●大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2009 (松代編)
150 草間彌生「花咲ける妻有」。山村の自然に負けない、原色に水玉のうねり。生命力溢れる造形が、周囲と同化している。
147 イリヤ&エミリヤ・カバコフ「棚田」。農舞台に置かれた文字盤越しに、棚田に置かれたオブジェを眺める仕掛けが、視点場と対象物を強く意識させる。とても美しい作品。
147 MVRDV「まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」」。大胆な造形の老人ホームで有名な、オランダの建築家ユニット「MVRDV」の日本初作品。4本足で建物を持ち上げるアイデアが非常にユニーク。現象を先に設定してその実現のためにフレームを組むという順序が、3 ドミニク・ペロー「バタフライパビリオン」と似ている。
農舞台内部の 147 河口龍夫「関係-黒板の教室」は、机、椅子、床まで黒板色に揃えていて、まるで黒板の中に入ったよう。机の天板を開けると、中には情報端末。その内容は意外と普通。
近くに配置されている 149 小沢剛「かまぼこ型倉庫プロジェクト・かまぼこ画廊」は、周辺地域に沢山建っているかまぼこ型駐車場の形を取り入れている。大小様々な大きさの箱を並べることで、視覚的に地域に馴染みつつも新鮮味がある。山口晃作の箱は、外まで展示が溢れている。ビーダマ転がし?
157 岩井亜希子×大場陽子「サウンド・パーク」。ロープに跨り、ターザン気分で奏でる楽器。身体を使ったダイナミックな動作が、とても楽しい。
156 パスカル・マルティン・タイユー「リバース・シティ」。宙に吊られた巨大鉛筆群が大迫力。色とりどりの鉛筆にはそれぞれ国名と国旗が書かれているが、題名のリバース・シティの意味は分からなかった。
162 大岩オスカール「かかしプロジェクト」。田んぼに点在する赤い人形の胸に、モデルとなった人たちの居住エリアと名前。当人たちの影のような人形が、妙に存在感がある。
38 福武ハウス2009。38-4 森弘治「質問のワークショップ/3つの行為」@ヒロミヨシイ。教室の清掃をイベントに仕上げる視点がユニーク。丁度掃除が始まって、ワクワクしながら観た。38-7 渡辺英司「蝶瞰図-福武ハウスインスタレーション」@ケンジタキギャラリー。図鑑から切り取った紙の蝶たちが、天井にビッシリと止まっている。その様が妙に生々しい。38-10 ヘレン・ファン・ミーネ「Pool of Tears」@ギャラリー小柳。楽譜を並べる台に置かれた、少女たちの写真。音楽室を活かした展示が美しい。
33 田島征三「鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館」。最後の在校生たちを主人公にした、廃校を舞台にした物語。屋外の獅子おどしと連動して動くオブジェから始まり、廊下、教室でお化けと出会い、さらには屋外へと続く。カラフルに彩色された流木によるオブジェがユーモラス。「廃校」という現実を、未来あるものと捉える視点が暖かい。学校の死を淡々と葬送する「最後の教室」と対照的。心情的に前者を応援したくなるが、現実は後者かなと思う。
「廃屋・廃校トリエンナーレ」という噂どおりの内容でした。それに加えて「胞衣 みしゃぐち」と「サウンド・パーク」が良かった。それと温泉!アートと温泉で癒されました。
旅行を段取りし、車の運転もして下さったTakさん夫妻、ナビをして下さったlysanderさんに深く感謝いたします。
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越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました。十日町、松代を
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ース。二日目は宿酔で朦朧としていまし... [続きを読む]
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lysander様>
お疲れ様でしたー!
カラオケ絶好調でしたね。
とても楽しかったです。