2009年07月20日
●鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人@東京オペラシティーアートギャラリー
東京オペラシティーアートギャラリーで開催中の「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」を観ました。内面世界を旅して現世へと帰還し、その様を卓越した描写力と造形力と演出力で見せる、とてもパワフルなアーティストの最新展示。今回はなんと建築展で有名な「東京オペラシティーアートギャラリー」での開催とのことで、あの空間をどうやって満たすのか、期待満々で出かけました。
物語世界への導入は「インタートラベラー」。下半身のみの像がロビースペースに腰をかけ、記念撮影OKと呼び込みます。隣に腰掛けた瞬間が、旅の始まり。
「隠れマウンテンロッジ」で登場した襖絵が開かれて、地底へGO!かつての主役も、今回は導入役。「ネオテニー展」でのガラスオオカミといい、過去の作品を違った見せ方で使うのが上手い。作品=キャラクターへの愛着が感じられます。
絵本「みみお」原画。渦巻きのように並ぶ原画を辿って、ぐるぐる。空には「バージニア-束縛と解放の飛行」が飛びます。
暗幕で区切った別室へ。百合の花を生けた空間の四面に四枚の大作。花は時間とともに朽ちて、腐臭を放つ。。。美しさと不気味さに満ちた世界へと向かう休憩室。
「シラ-谷の者 野の者」。襖に展開される物語。金粉をふんだんに使った、華やかで禍々しい画面。
「ミミオ-オデッセイ」。通路の曲がり角に開かれた大きな本。そこに投影される、ミミオの旅。本当にその旅を目撃しているかのような臨場感があって良かった。
そして旅の焦点「赤ん坊」に辿り着きます。その巨大さ、鏡の表皮に乱反射する光、作り込まれた舞台は圧巻。新しい物語の誕生か、終末か。その瞬間に立ち会う興奮に、時間が経つのを忘れます。
ものすごい存在感で迫るフィクション!視覚は言うに及ばず、触覚、嗅覚までも喚起する展示は圧倒的です。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/812
? 鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人(東京オペラシティアートギャラリー) from あお!ひー
今日からスタートした、「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」に行ってきました。
オペラシティアートギャラリーがオープンするのは午前11時。
家を... [続きを読む]
こんばんは。
赤ん坊の持つ磁場の強さは何でしょうね。
言葉に出来ない感覚がすごくいいなあと思いました。
あおひー様>
こんにちは。
コメントが久しぶりで申し訳ありません。
「赤ん坊」はミラーボールの乱反射効果と相まって、「オオカミ」の再生と思えました。
ネオテニーでオオカミが旅立ち、新生鴻池ワールドの始まりですね。