2009年03月31日
●3月後半の鑑賞記録
3月後半の鑑賞記録です。
3/18
「東本願寺の至宝」@日本橋高島屋8階ホール
円山応挙筆の襖絵三部作。特に「老梅図」の大きく回りこむように手前に伸びてくる枝が、枯れた筆捌きと相まって空間を感じさせる。
「寛政度用材運搬図屏風」。ビックリするような巨木を滝から落とし、川を下り、大勢で担ぐ。デフォルメの効いた画面構成が楽しい。
「彫刻//新時代 Vol.3 土屋仁応展」@日本橋高島屋美術画廊X
愛らしい子山羊と花のメインビジュアルが美しい。白くコートされたお菓子みたい。
3/20
「現代美術の展望-新しい平面の作家たち VOCA展」@上野の森美術館
高木こずえ「ground」。視覚情報の豊富さで刺激する。
三瀬夏之介「J」。佐藤美術館の異形さからはずいぶんと落ち着いて、普通に「絵」。
麻生知子「家」。素朴画というフレーズが思い浮かぶ、家の断面と平面が融合した画面。谷中で開催中の個展「家に帰る」と合わせてみると面白さ倍増という趣向も楽しい。
名和晃平。平面という前提を軽やかに揺さぶるクレバーな作り。
土古里@上野バンブーガーデン店で焼肉。上野駅を見下ろすカウンター席は狭いながらも気持ち良い。上手い作り。
3/21
「山水に遊ぶ-江戸絵画の風景250年」(前期)@府中市美術館
視覚的に楽しい。最後の若冲は嬉しいサプライズ。双六付図録を買ってしまった。
「薩摩焼~パリと篤姫を魅了した伝統の美~」@江戸東京博物館
豪華絢爛大好き。
「生誕170年記念 -揚州周延展-」@太田記念美術館
過ぎ去りし時代を懐かしむ絵の数々に、過去のものとなりつつある浮世絵の技法そのものが重なる。江戸から明治へと浮世絵の変遷を辿ることで、浮世絵の歴史に奥行を感じた。
「ミレーとバルビゾン派の画家たち」@青山ユニマット美術館
さよならユニマット。コレクションはどこに行くのだろう。
「第3回 shiseido art egg 小野耕石展 古き頃、月は水面の色を変えた」@SHIDEIDO GALLERY
インクを重ねることで生み出される1cmほどの柱(?)を無数に並べて生み出すビジュアルワーク。技法の独自性が凄いと思う。遠目にクレーの絵のようだと思った。
3/28
「掌9」@ラディウムーレントゲンヴェルケ
「手のひらに凝縮された世界」を見に行ったら、「お手頃な世界」が広がっていた。
興梠優護個展 「melting point」@CASHI
情欲と生肉。グロイ。
青木野江 「新作展」@ギャラリー・ハシモト
軽やかに天井から垂れ下がる(ように見える)鉄輪のカーテン。鉄が軽やかに変化することで空間が変容する。
山本桂輔 「起立」@小山登美夫ギャラリー
入口の花瓶(?)一つで目が釘付け。奥にチラリとのぞく巨大彫刻に引力の如く吸い寄せられる。毒々しい色彩と造形が異様な精気を放つ。アートの力を感じさせてくれる、パワフルな展示。
Holly Farrell "Home and Sea" @MEGUMI OGITA GALLERY
足ひれの黒が非常に豊かに描かれ、白いテーブルの上の白い陶器が質感豊かに登場する。存在感を大切にし、テカテカした表面処理で封をしたような絵。エルメスから程近い小さなスペースに、完成度の高い作品が並ぶ。場と絵の相性の良さを感じる。
内藤礼 「color beginning」@ギャラリー小柳
展覧会というよりもサロン。
シャネル・ピグマリオン・デイズ クラシックコンサート 「平野玲音」@CHANEL NEXUS HALL
シャネルが運営する無料コンサート。幸せな気分になれます。
「アンリ・シャルパンティエ銀座本店」にて一休み。至福の一時。
「アーティストファイル2009-現代の作家たち」@国立新美術館
「六本木アートナイト」の一環で、嬉しい無料開放。内容は。。。
「一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子」@サントリー美術館
スライドレクチャーの後、展覧会へ。細工の細かさと色彩に魅了される。
しかし、今月最大のイベントはこれでした。
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