2009年01月30日
●加山又造展@国立新美術館
エントランス
「雪」の貼紙細工、「月」の銀の波紋、「花」の焚火の火に染まる夜桜。巨大な三部作で開演。
第1章 動物たち、あるいは生きる悲しみ-様式化の試み
「悲しき猫」。平面的な木彫り表現。
「冬」。肉を削ぎ、紙が残る。絵というよりも工芸のよう。
「木枯」。赤味かかった金世界。茫漠とした寂寥感。
「キリン」。足を大きく開いて首を下げる意欲的なポーズ。鋭面で構成された彫刻。
第2章 時間と空間を超えて-無限の宇宙を求めて
「春秋波濤」。天地創造、山となって隆起する世界。
「七夕屏風」。引き裂かれる世界、砕ける画面。銀の波、金地の笹。
「千羽鶴」。別世界より飛来する金色の鶴が、銀世界の空を舞う。白くしぶく波頭。
第4章 花鳥画の世界-「いのち」のかたち
「牡丹」。巨大な黒と白に紫の花の饗宴。グロの一歩手前。花の形をした巨大な妄想、すごい!
「夜桜」。焔に浮かぶ桜の花、異様に太い幹。息を呑む美しさ。
第5章 水墨画-色彩を超えた「色」
「水墨山水画」。霧に霞む松、ドドドと轟音を立てる巨大な滝。
「月光波濤」。暗夜に輝く月と砕ける波濤。SF的。
「龍図」。子犬のような愛嬌のある龍。
「倣北宋水墨山水雪景」。白地絞り物のような岩山。
第6章 生活の中に生きる「美」
「銀色摺箔波文振袖」。着物であることすら忘れるほどの、強力な波紋構成美。
冒頭の巨大な三部作から観る者を圧倒し、そのハイテンションのまま会場を駆け抜ける一気呵成な構成は驚きです。新美のだだっ広い空間を狭いと思わせるほどの密度と巨大さは、観る価値十二分にあります。
Posted by mizdesign at 2009年01月30日 23:16
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