2009年01月24日
●日本の春 -華やぎと侘び-@畠山記念館
畠山記念館で開催中の平成二十一年冬季展「日本の春 -華やぎと侘び-」を観ました。チラシに紹介されている「銹絵富士山香炉」(野々村仁清作)の写真に「何だこれは?」と興味が湧き、楽しみにしていました。
畳展示スペースに展示されている「銹絵富士山香炉」(野々村仁清作)が本展の見所の一つ。富士山の容姿(?)を再現しようとした朝・昼・暮の三態が並びます。その巨大ハマグリのようなユニークな形態と、意外と大きなサイズに目が釘付け。山の後ろに三つ穴があり、そこから煙が立ち昇るさまはどんな感じでしょうか。また中身は一つしかないので、時間の経過と共に上物を取り替えるでしょう。なんとも好奇心をかきたてる香炉です。その背後に掛けられた「山水図」伝夏珪筆も、大き目の紙面に力強い筆致で描かれており、素晴らしい存在感。
そしてもう一つの見所が「赤楽茶碗 銘 雪峯」本阿弥光悦作。赤地に白釉をなだらかにかけた色彩、割れ目に金粉を流し込んだ意匠は見事の一言。割れ目は梅の枝のようにも見えて、偶然か作為か知る由もありませんが、稀代の名プロデューサーの成せる業と見惚れるばかり。
「銹絵染付笹紋茶碗」尾形乾山作など、他にも見所目白押しです。決して広くはありませんが、見所がキュッと詰まった密度の高い展示です。次回展は「開館四十五周年記念 畠山コレクション名品展」だそうで、こちらも今から楽しみです。
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私も雪峯は見たいです。
あの割れ目が印象的ですね。
茶碗の外側だけでなく、内側にも
当然割れ目は入っているのでしょうね?
失敗作にしないところがすごいです。
一村雨様>
こんにちは。
雪峯、良いです。
意図か偶然か、その見事な枝ぶり(?)は、もう見惚れるばかりです。
金粉漆塗り込み部分はヒビが広がっていて、もう茶碗としては使えない気と思います。