2009年01月18日
●狩野派と近世絵画(後期)@承天閣美術館
青春18切符で行く冬の名古屋・京都の旅 その8。
樂美術館から今出川に戻り、「フルーツ&フルーツパーラー ヤオイソ 烏丸店」で果物尽くしのお昼。煩悩を満たして、承天閣美術館へ。「狩野派と近世絵画(後期) ~爛漫と枯淡と~」を観ました。併催は「名碗三十撰(後期)」。
第一展示室
「赤樂茶碗 加賀」本阿弥光悦造。切り立つ立面、厚みのある飲み口は木の切り株のよう。赤地に濃茶の縦線模様が山水画のようで、稀代の名プロデューサー光悦の甘美な世界に酔います。
展示室の壁面には、「列祖像 三十幅」狩野派筆がズラリと取り巻きます。等身大サイズの禅師の大群に、ちょっと気後れします。
第二展示室
「中商山四皓 左右山水図」狩野元信筆。商山に篭った四仙人を中心とした見事な三幅対。仙人の服の輪郭を波打つように描く描写が特徴的。木々、岩山の描き分け、グレーの濃淡使い分けが見事。先日東博で観た「商山四皓竹林七賢図屏風」伝狩野元信筆は、この絵の拡大コピーに見える。それが伝有無の差?
「百猿図」山本探山筆。ユーモア一杯に描かれる、猿のなる木!
「花下遊楽図屏風」。左に酒宴、右に各種娯楽に興じる人々を円状構図に収め、下部の水平画面に駕籠等の往来の人々を描く。
「詩歌図巻」狩野光信筆。バラバラになった「詩」「歌」のパーツを組み立てる、国芳のようなセンス、解説によると、おそらく町狩野作とのこと。
「蔦の細道図屏風」俵屋宗達筆。対決展以来の再会。道=空間の裂け目から、葉と蔓が覗くようにも見える。立体的な構成、図案。左上がりに拡大し、消失する空間。
「不動明王像」。赤みを帯びた眼が怖い。
「御室焼色絵桐波文茶碗」野々村仁清造、箱書金森宗和。綺麗で抑制の効いた文様美。
狩野派を軸に、承天閣が誇る茶碗、若冲、屏風絵等の収蔵品を交えて見せる展示。さすがと思わせる内容。次回展は「相国寺・金閣・銀閣名宝展 -パリからの帰国-」。プチパレ美術館で開催された展覧会の里帰り開催のようです。「毘沙門天図」雪舟等楊筆、「牡丹孔雀図」円山応挙筆が登場します。
最後は和風甘味をと考えて、紫野和久傳 堺町店へと足を伸ばしました。ちょっとノンビリしすぎて京都駅での乗り継ぎがピンチになりましたが、なんとか駆け込んで京都を後にしました。
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