2009年01月17日

●樂歴代 花のかんばせ@樂美術館

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 青春18切符で行く冬の名古屋・京都の旅 その7。
 やってきました樂美術館。「樂歴代 花のかんばせ とりどりの花の意匠をあつめて」を観ました。

 1階展示室の中央に「二代常慶作 菊文赤樂茶碗」。菊紋が可愛らしい、色鮮やかな赤茶碗。その周りを歴代樂茶碗が並びます。
 2階展示室奥に「田中宗慶作 香炉釉菊文阿古陀形水指」。首元をキュッと絞った優美なシルエット、クリーム地に無数の灰色のヒビワレ線が走る色味、華やかな菊紋。チラシだと巾着みたいで可愛らしいですが、実物はけっこう大きく貫禄があります。

 「手にふれる樂茶碗鑑賞会」
 毎月第一土曜・日曜日、一日四回開催されます。事前に電話で予約して、入館時に費用2,000円(入館料込み)を払います。今回の参加者は9名。定刻になるとロビーに集合して、茶室へと案内されます。打ち水された飛び石が美しい。躙口から上がると中はほの暗く、濃密な空間。学芸員の方が道具を並べ、簡単に解説。順番に間近に道具を観て、隣接した少し広い間に移動します。

 そして「手でふれる鑑賞会」。今回登場するのは「七代長入作 若松檜赤樂茶碗」、「十代旦入作 吸江斎好島台茶碗」。後者は九代了入作の島代茶碗とセットでの登場、碗見込みに金銀箔を塗り、九代作の中に十代作を重ねて使う、正月に相応しい華やかな組み合わせ。

 御茶碗を観るときは高く持ち上げず、隣の人に渡すときは手渡しでなく一度畳において渡す、指輪等のアクセサリーは外すといった取り扱いの注意を受けて、七代作から順に鑑賞。触ってみると、適度な湿り気と暖かさにビックリ。一瞬人肌を触っている気がしました。学芸員の方いわく、呈茶と同じ感覚を味わってもらうために碗をお湯で温めてあるとのこと。畳に顔を近づけて碗側面に描かれた若松、裏返して高台の形状や「樂」印を眺めてみる。茶を飲むつもりで両手で包み込むように持つと、七代作のやや大ぶりで荒々しい箆遣い、十代作の小ぶりな作り(幼い吸江斎(表千家十代目)の手に合うように作られた)が感じられる。障子越しに射す光の加減でも色合いが随分と異なる。

 参加者は素人の方とお茶を嗜んでいる方が半々くらい。土探しも歴代の仕事のうちで、二代先のために土を探す。赤楽の土は大きく変わり、以前の鮮やかな色はもう出せないとか。行き交う専門的な話をBGMに、雰囲気を楽しんだ。手に取ることで、美術品から実用品へと楽しみ方が変わることが何より良かった。

Posted by mizdesign at 2009年01月17日 22:24
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京都の樂美術館で開催中の「樂歴代 花のかんばせ とりどりの花の意匠をあつめて」に行って来ました。 サブタイトルが展示テーマそのものに... [続きを読む]

Tracked on 2009年01月29日 21:28
コメント

こんばんは。先日はありがとうございました。
楽は一度だけ行きましたが、やはりこのような企画に参加してこそ、器の真の魅力を知ることが出来るのでしょうね。次回は是非予約してみたいと思います。

>参加者は素人の方とお茶を嗜んでいる方が半々くらい

それを聞いて安心しました。素人なりに楽しみたいものです。

Posted by はろるど at 2009年01月18日 21:11

はろるど様>
こんにちは、先日はありがとうございました。

ガラス越しに眺めているよりも、手に取った方がずっと面白いです。
月に一度、特別鑑賞茶会というのもあります。当代も参加されるそうで、1ヶ月前から電話予約受付です。素人の方の参加も多いそうです。

Posted by mizdesign at 2009年01月19日 13:35
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