2009年01月14日

●さて、大山崎 ~山口晃~@大山崎山荘美術館

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 青春18切符で行く冬の名古屋・京都の旅 その3。
 安土から山崎は各駅停車でちょうど1時間、ようやく京都入り。利休ゆかりの茶室「待庵」がある「妙喜庵」の前を通り、大山崎山荘美術館を目指します。徒歩10分という案内を見て歩き始めたものの、その急坂にちょっと後悔。バスを待つことをお勧めします。趣のある門(トンネル?)を潜り、オーナーである加賀邸を左手に見て溜め息をつきながら、美術館に到着。

 さて、大山崎 ~山口晃~」展
 受付を過ぎると本館廊下右手に「大山崎交通乃圖」、左手に三枚の肖像画。前者は山口版「大山崎開発計画」。画面中央を立体交差道路が占め、郊外には大きなガラス開口を持つ住宅が並ぶといった現代的な要素。その一方で川沿いには切妻瓦屋根の日本家屋が並び、道路にも寄棟杮葺屋根が架かってのんびりムード。さらに道行く車両も遊覧車のよう。後者は光秀、秀吉、利休と、大山崎ゆかりの御三方。元絵を意識しつつ、タイトルや小道具でわずかにいじるところが山口さんらしい。

 本館山本室。
 左壁面中央に「最後の晩餐」。タイトルからすると、天王山の合戦を前にしての明智光秀陣営?先端が飛び出した枠廻りがインテリアと馴染んで良い感じ。
 右壁面奥に「野点馬圖」。メカ馬に内蔵された茶道具を取り出して、野点を楽しむ武将とお供。兜及び刀掛け、立体小屏風まで内蔵して準備万端。
 室中央のガラスケースには本展に向けてのスケッチが並びます。山口版大山崎開発アイデアスケッチが楽しげ。

 その先のパルミラ室へ。
 「茶室」メカニカル。伝統的な茶室に仕込まれたメカニカルなギミック。精緻な描写が冴えます。
 中央に置かれた山荘模型の敷地断面をカンバスに見立てた「山荘秘密基地」。ウルトラホークが格納されていたのか!本展一番のお気に入り。

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 2階に上がって一休み。本来ならビールでしょうが、ちょっと寒すぎなのでコーヒーとワインケーキ。壁に飾られた「日本のビール 朝日スーパードライ廿周年記念」でスポンサーをよいしょ!肩が凝らずに楽しい作品。

 明るい階段通路を通って新館へ。
 地中の宝石箱の中央に展示された「自由研究(柱華道)」と「邸内見立 洛中洛外圖」に見入る。前者は構成自体が見立てで面白い。後者は精緻で美麗な描写と駄洒落のコントラストがひたすら可笑しい。ずいぶんと見入ってしまいました。

 練馬区立美術館が壁を埋め尽くす展示(その1講演会その2)だとすると、今回は建物に溶け込ませる展示。大和絵から特撮、アニメまで幅広くカバーする山口さんの画風と、新旧共に見所を持つ山荘美術館の空間が上手く融合して、一期一会な世界を作り出しています。作品数はそれほど多くありませんが、期待以上に良かったです。

Posted by mizdesign at 2009年01月14日 23:31
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コメント

行かれたのですね!
記事を拝読してまた行きたくなってしまいました。
でも雪が降ったらあの山道はどうやったら…
>「日本のビール 朝日スーパードライ廿周年記念」でスポンサーをよいしょ!
あれね、コンペ落選した作品だそうですよ(ぼそっ)

Posted by さちえ at 2009年01月16日 17:45

こんばんは。

怒濤の記事更新ですね!
各駅停車の旅でお疲れでは?
逆にハイテンションかな??

Posted by Tak at 2009年01月16日 17:56

さちえ様>
こんばんは。
ようやく行ってきました!
是非デュオトークに出かけて、レポートをお願いします。

コンペ落選作なんですか。
山口さんらしい、澄まし顔の皮肉が込められた展示なんですね。でも良い作品だと思います。
むしろブラックユーモアなのは、「地中の宝石箱」の見立てのような。。。

Tak様>
こんばんは。
熱海-浜松間を除けば快適な快速車両なので、それほどひどい疲れではないです。なんか慣れてきました。

Posted by mizdesign at 2009年01月17日 23:49
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