2009年01月13日
●水の浄土・琵琶湖@安土城考古博物館
青春18切符で行く冬の名古屋・京都の旅 その2。
京都へ向かう道中、安土城考古博物館に寄り道。特別陳列「水の浄土・琵琶湖 -琵琶湖文化館の収蔵品を中心に-」を観ました。最寄駅は「安土」ですが、新快速停車駅「能登川」と「近江八幡」に挟まれた各停停車駅なので乗り継ぎに注意が必要です。さらに駅からも遠く、バスもなし。晴-雨-雪と激しく天候が変わる寒い日に、「どうしてこんなところに作ったんだ?」と疑問を抱きながら訪問。館内は半分貸切状態。
第1章 水への祈り
「紙本墨画叡山図」曽我蕭白筆。ペン画のような細く綺麗な線で描かれたモコモコした比叡山、湖水際の水田が琵琶湖景観の特徴を表す。上手い絵だと思ったら、蕭白筆。文句なく名作と思える。
「絹本着色猿候図」森狙仙筆。髪の毛の描写が際立つ「狙仙の猿」。猿が摑まる蔓の描写も写実的。
第2章 描かれた水の世界
「紙本墨画淡彩楼閣山水図屏風(右隻)」曽我蕭白筆。「奇想の系譜」に登場した蕭白の代表作!意外なところで遭遇。伝統的な岩山と、線を省略した現代的な建物との対比。セピアトーンを基調に、効果的に用いられる赤と白。赤は手摺、欄間、白は白梅、カーテンなど。左隻も観たい!
「絹本着色山水図」円山応挙筆。写生の応挙の確かな画力。横から伸びるように迫り出す岩山の描き方が印象的。
第3章 豊穣の海
「絹本淡彩鯉遊図」菊池容斎筆。墨の濃淡で描いた鯉。省略することで水の流れを感じさせる。
「金銀象嵌疏菜透彫蟷螂手箱」。透かし紋の中心に鎌を構えるカマキリ。放射状に広がるトウモロコシの紋。
タイトルにあるように、展示は休館中の琵琶湖文化館の所蔵品が中心です。構成は3章+プロローグ、エピローグですが、館内が手狭なため詰め込めるだけ詰め込んだ感じ。思いがけず蕭白の名品に出会えて、掘り出し物の展示でした。それにしても、東京だったら蕭白の作品だけでも人が入りそう。。。
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