2009年01月26日
●DOMANI・明日展2008@国立新美術館
国立新美術館で開催された「未来を担う美術家たち DOMANI・明日展2008 文化庁芸術家在外研修の成果」を観ました。
入館すると、中井貞次「桂林の月」が目に入ります。暗色トーンと夜空に輝く月が美しいと近づくと、なんと染色での表現!「樹座」の根が座っているような表現、「狼煙台」の膨らみがあり人間味を感じさせる形態。この展示はあたりかもと期待が膨らみます。
続いて田中新太郎「MIARACLE(奇跡)」。そそり立つ上すぼみの鉄塔、その中心軸のスリットが緊張感を醸しだします。鉄、ガラス、石を並ぶ、素材感豊富な展示もバランスが良いです。山本富章「Delta6」、「円筒状に-12の月」。白壁に唐突に突き出たマーブル模様の円筒形群。異様な存在感。ヒグマ春夫「DIFFERENCE 2008」。何層にも吊るされた布を透過して、何層にも渡って映像が映し出される。層化される奥行。
だんだんインパクトがなくなってきて、バラツキが大きいと思ったところで、駒形克哉の小部屋が登場。スポットライトをミラーボールに当てて光を乱反射させ、無数の小さな光が白い壁面を乱舞します。巨大走馬灯のような空間の中に配置された黄金切り紙細工の数々はとても幻想的。「スコラ宇宙の回転」。平面バブル紋の金紙細工、黒地に紛れる虫たち。「生命の樹(金の生る木)」。硬貨を箔押しした文字通り、金の成る木。円紋の分布がポップコーンを炊き上げるようで上昇感を感じさせる。
菱山裕子「空飛ぶ男」。スチールフレームにアルミメッシュを巻いて造形された巨大男が空を飛んでいます!面長で表情豊かな顔、デフォルメの効いた体、手先まで力が感じられるポーズ。その巨大で軽やかで魅力溢れる存在感は圧倒的。
全体としては非常にバラツキがあり、構成に難ありな展示に思えました。しかし「空飛ぶ男」の圧倒的な存在感だけでも、観る価値のある展示だったと思います。
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煌きの駒形克哉と飛んでる菱山裕子がベスト2でした。
とら様>
こんばんは。
ベスト2は全く一緒です。
個別での面白さはあるのですが、全体としての印象が薄いのがもったいない展示だと感じました。