2009年01月21日
●ピカソとクレーの生きた時代@Bunkamura ザ・ミュージアム
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代」展を観ました。副題は「ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵」展。所蔵元美術館が改修に伴う休館を期に、そのコレクションを日本で公開。
第1章 表現主義傾向の展開
冒頭にアンリ・マティス「午後の休息(サン=トロペ湾)」。暖かなタッチ。
アウグスト・マッケ「フリブール大聖堂、スイス」。赤い旗が印象的。
第2章 キュビスム的傾向の展開
パブロ・ピカソ「瓶とグラスのある静物」。構成美。
ジョルジュ・モランディ「静物(青い瓶)」。落ち着いた水彩画。
ピカソは顔見世程度だけれども、見応えあり。
第3章 シュルレアリスム的傾向の展開
三枚続くマグリットがどれも未見で面白い。
ルネ・マグリット「庶民的なパノラマ」。何層もの殻を縦に積む構図が新鮮。
マン・レイ「詩人、ダヴィデ王」。ジョジョの元ネタかと思った。
ジョアン・ミロ「リズミカルな人々」。なんとも不思議な形態と色彩。
第4章 カンディンスキーとクレーの展開
ヴァリシー・カンディンスキーの抽象画が3枚続く。どれも魅力的で、一気にテンションが上がります。
ヴァリシー・カンディンスキー「エドウィン・R・キャンベルの壁画No.3のための習作」。線と色彩が魅力的、絵に力がある。
ロベール・ドローネー「窓」。セザンヌを思わせる透明感。
クライマックスはパウル・クレー。線と色彩で構成された、物語性を感じさせる画風はとても魅力的。
「リズミカルな森のラクダ」。ギリギリ原形を保ちつつ、色彩の森を往くラクダ。
「矩形と半円」。微細に分割された色面の上に、矩形と半円の淡色トーン掛け。シワシワの紙のような温かみ。
「婦人と流行」。線がうねり、人が踊り、街の雑踏が聞こえてきそう。
前半のピカソ、後半のクレー。見所がちゃんとあって面白かったです。
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こんばんは。
改修工事に伴うこうした展覧会
大変有難いものです。
ドイツまで行くこと考えれば安いもの。
クレーをこれだけまとめて観られるのも
またお得感ありますよね。
Tak様>
こんばんは。
このコレクションって、川村のクレー展でもけっこう出てたんですね。Takさんのエントリーを読んで、川村で買った図録を見返しました。
バラエティ豊かで、楽しい展示でした。
今回のマグリット作品、自分自身はマグリット好きのくせに
そんなに期待していた訳でもなかったので、
面白いと仰って頂けてなんだか嬉しいです。
>前半のピカソ、後半のクレー
ピカソの点数の少なさがよくも悪くも話題になりましたが、
ピカソはどれも良品の大作でしたので、
こういうのもありだなと思いました。
でも、期待してた人ががっかりする気持も充分わかります。
TBさせて頂きましたが、うまく届いてなかったら申し訳ありません。
コメント書いた後にみたら、ちゃんとTB届いてました。
ろくに確認もせず、失礼しました。
m25様>
こんにちは。
コメントとTBありがとうございます!
Bunkamuraの客寄せタイトルは毎度のことなので、慣れました。でも本展は粒揃いで良い展示だったと思います。
むしろこれからが心配。。。