2008年12月31日
●北斎@佐川美術館
MIHO MUSEUMに行く途中、佐川美術館に立ち寄りました。水盤をはさんで二棟の巨大なムクリ屋根を載せた展示室棟が立ち、両者をガラス通路で結んで回遊経路を構成します。さらにその先に、新築された樂吉左衛門館が地下通路で繋がります。それぞれの館を、平山郁夫、佐藤忠良、樂吉左衛門の3氏の常設展示に割り当て、佐藤館の一角を特別展スペースとして活用しています。
他でちょっと見ない巨大なボリューム、杉板型枠を用いたPC版をきれいに割り付けた外観、量塊が水と屹立する構成は簡潔で存在感があります。
特別展は「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」。北斎展が始まって入場者が増えたとチケットブースで聞き、さすが北斎と感心。三十六景よりも百景の方が新鮮で面白かったです。
コーヒーショップSAMで休憩。パリパリした生地とたっぷりのフルーツが美味しかった。水盤を眺めるロケーションも自然光たっぷりで気持ち良いです。
樂吉左衛門館へ降りてゆく階段。重量感あるRC壁を欠き込んで間接照明を仕込む、劇的なつくり。
水面越しに光が降る壁面。チラチラと光が変化する様が美しい。左手に展示室。十五代目樂吉左衛門自ら手がけたという空間は、少々演出過多で疲れた。美しいシーンはシーン、鑑賞体験は体験で分離している気がする。予約制の茶室が満員で見られなかったのが残念。
消火栓も点検扉もRCの質感で統一した内部空間。枠をなくして線を消し、面へと還元する。機能と意匠の折り合い。
Posted by mizdesign at 2008年12月31日 09:29
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