2008年11月02日
●「特集陳列 中国書画精華」@東京国立博物館東洋館
東京国立博物館東洋館で開催中の「特集陳列 中国書画精華」を観ました。
辻惟雄著「日本美術の歴史」においては、中国美術が唐様[南北朝美術]として定着してゆく意義を認め一つの画期として取り上げています。また、中国絵画を手本にして江戸絵画が花開いたことも記憶に新しいです。そういった手本としての中国絵画を見る絶好の機会です。
李迪「紅白芙蓉図」。ほんのりと色づく花弁の描画は繊細でとても美しい。保存状態も美麗で文句なしの優品。梁楷「李白吟行図」。単純な線で的確な描写。伝夏珪「山水図」。よく物語とかで「ほう、夏珪ですな」とかって物知り顔なおじさんがいうところの夏珪。こういう絵を指すのか。「葡萄垂架図」。葡萄に虫。曼殊院旧蔵だそうで、若冲はこの絵を見たのだろうかと気になるところ。文伯仁「四万山水図」。視点低く画面いっぱいに描くクローズアップ描写が現代絵画を思わせる。李氏「瀟湘臥遊図巻」。素晴らしいパノラマ風景画。清の乾隆帝愛蔵品だそうで、そんなものが日本にあって良いのかと思ってしまった。徐渭「花卉雑画巻」。墨の濃淡、滲みを巧みに使った花卉図。
優品だけを集めた豪華展覧会。会場は空いていて、じっくりと観ている方が多かったです。惜しむらくは、2階に上がって奥のエレベーターに乗るという会場案内が分かり難いこと。かなり迷いました。
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こんばんは。
結局、前期後期共に
観に行ってしまいました。
mizdesignさんがアップされている
「紅白芙蓉図」良かったですね~
東洋館でうっとり。
Tak様>
こんにちは。
東洋館の展示はすごかったですね。
しかも空いてるし。
この展示に刺激されて、東山御物を観に、旅をしてしまいました。