2008年10月17日
●村野藤吾・建築とインテリア ひとをつくる工学の美学@パナソニック電工 汐留ミュージアム
パナソニック電工 汐留ミュージアムで開催中の「村野藤吾・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学」を観ました。
展示はパネルが中心で、模型が点在し、たまに原寸再現模型がある感じです。再現CGもあります。
SECTION1 建築家村野藤吾を読み解く15(TOGO)のキーワード。箱根樹木園休息所のシャンデリア詳細図の細かさに驚く。日本興業銀行本店(現・みずほコーポレート銀行)の北側キャンチレバーも迫力あります。実物を観て来よう。新高輪プリンスホテル(現・グランドプリンスホテル新高輪)の解説文に「サムシングニュー」とある。いつも新しくないといけない。大宴会場「飛天」の天井。
SECTION2 村野藤吾のインテリア。2-2 村野流 ミッドセンチュリーのインテリア。戎橋プランタンのファサードが直線的な構成に少しRを入れていて素敵。2-3 色彩と光の空間 日生劇場。マド貝が散りばめられたホール天井を始め、幻想的な空間は圧巻。花階段の振れ止め、幾何学パターンで構成されたエントランスホールの天井、ホール内壁のうねり。一度実物を観るべき。粘土のスタディモデル、それで検討している村野藤吾の写真はとても興味深い。やはりこの空間の検討は紙やボードでは無理だと納得。2-4 「さわり」のデザイン ホテル空間。スワンチェアのリプロダクション品に実際に腰掛けられるのが良かった。掛け心地良し。ドレッサーも実物展示。ティッシュを納めるサイドコーナーの作りに関心。
SECTION3 建築家の内的世界。3-1 大地につながる建築 晩年の有機的空間。いつか行きたい美術館の一つ、谷村美術館登場。粘土模型をそのまま実現したような異形の建築。塑像のような空間。図面はもやは抽象絵画のようで、所員の方たちの読解作業の苦労が偲ばれる。
関連イベントである「グランドプリンスホテル新高輪 茶寮 惠庵 建築見学と茶会」には、50人の定員に300名以上の応募があったそうです。近代建築というとコルビュジェ-前川國男というモダニズム理論の実践者の系譜が思い浮かびますが、そういった流れから距離を置き独自の世界観に生きた感のある村野藤吾の存在が非常に大きく感じられるのは、興味深いです。
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