2008年10月16日

●矢津吉隆「Holy and Common」@TSCA Kashiwa

 TSCA Kashiwaで開催中の矢津吉隆「Holy and Common」を観ました。2層吹抜けの広い空間と魅力的な展示で、毎回行くのが楽しみなギャラリーです。こちらに充実した鑑賞記(写真あり)がアップされています。

 1階の吹抜け部分には、幾つもの回転体が直列つなぎで連結されています。唸り音と合わせて何かの儀式のようです。でも小さなオブジェを床面に置いているので迫力は今一つ。
 2階にはアクリルケースに入った小さな回転体がズラリと並びます。台に載っているので、こちらはちょうど目の高さです。じっと見ているとそれが何か分かってきますが、そのことは大して重要ではありません。
 さらに進んだ通路のスペースには、回転体を写した写真パネルが並びます。何気ないオブジェが回転することで生み出されるイメージの断片。左側の茶碗のように見えるイメージと、中央の大きなパネルが良かった。その元ネタは前の展示室にあるので、戻って見比べると面白いです。
 一番奥のスペースは暗くして、光のネオンが疾走します。でも目が疲れるのと煩さで早々に退散しました。

 回転体オブジェと写真の主従を考えると、オブジェが主、写真が従だと思うのですが、私的には前者は後者を作るための装置に思えました。装置があれば見る人それぞれのイメージが生み出されるはずなのですが、実物は音がするので意外とイメージが広がりません。写真が主で、その種明かしとしての前者だったのかなとも思いました。

 TSCA Kashiwaではこれからも展示が続きます。とても楽しみです。

Posted by mizdesign at 2008年10月16日 23:55
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TSCA Kashiwa(千葉県柏市若葉町3-3) 「矢津吉隆 - Holy and Common」 9/20-10/25 ひたすら回転する『何か』が、鮮... [続きを読む]

Tracked on 2008年10月18日 07:10
コメント

ミズさんおはようございます。TBをありがとうございました。

>オブジェが主、写真が従だと思うのですが、私的には前者は後者を作るための装置に思えました

あの広がって見える全体が、作品の一番核となるイメージそのものなのかなと思いました。
とすると拙ブログにも書きましたが、
写真はそれをある意味で分かり易く見せる一種の補完装置なのかもしれません。
とはいえ、写真が一番奇麗だったのは事実ですが…。

奥の部屋はまた別物ですね。
何せ若いアーティストさんなので、これからの展開にも期待したいと思います。(この手の回転オブジェを手がけたのは初めてだとか。)

Posted by はろるど at 2008年10月18日 07:31

はろるど様>
こんにちは。
僕は最近、「いっしょに暮らせるか」という視点が強めなので、「全体をまとめて」という捉え方を曖昧と感じたのでしょう。
これからの展開に期待については、全く同感です!

Posted by mizdesign at 2008年10月19日 09:31
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