2008年10月05日
●Akasaka Art Flower 08
赤坂サカスを中心に開催されている回遊型アートイベント「Akasaka Art Flower 08」を観ました。全会場を廻れるパスポートは赤坂サカス、島崎(料亭)、旧赤坂小学校の3会場で販売されています。スタンプラリーも開催されており、全会場分を集めて赤坂サカスチケットセンターに持っていくと、草間彌生さんの特製クリアファイルがもらえます。
今回は夕方遅くからの鑑賞だったので、全7会場のうち4会場を観ました。スタートは赤坂サカス。チケットセンターに隣接して草間彌生「Dots Obsession」。お馴染み黄色地に黒のドット、反転して黒地に黄色のドット。少し離れて大津達「奇跡の泉」。天井のシェリーで強烈な印象を残した西野達さんの最新作。作品ごとに名前まで変えてしまう、驚きの作家さん。さらに少し離れて椿昇「PollyZeus」。6年前の横浜トリエンナーレで巨大バッタを登場させたビッグパフォーマー。正直なところ、どれも今一つ。名の通った作家さんを集めたがる最近のアートイベントの弊害を見る気分。
次いで旧赤坂小学校へ。フラッシュを焚かなければ撮影OKとのことで、写真を撮らせてもらいました。
池田光宏「by the window 旧赤坂バージョン」。ガラス面に映るテーブルと椅子、人影、急成長する植物、カラフルに変化する色彩。暗くなってから行ったこともあり、温かみある影絵の動きと、シャープな色彩変化の演出がとても印象的。
エントランスホールに入って、淺井裕介「泥絵・昨日の半分と明日の半分」。壁及び床を埋める壁画が、密実な空間を生み出しています。
2階に上がって体育館へ。小沢剛「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」2006-2008。座布団を積み上げた富士山を、子供たちが嬉々として転がり落ちる様がとても楽しげ。山の中には列車が停まっており、30分おきに定時運行。ボランティアの方が手押しで動かす列車も大人気。パラモデル「パラモデリック・グラフィティ」。会場内を縦横無尽に覆い尽くすプラレールアート。描き出されるパターンの美しさに見惚れてしまいます。幼い頃に遊んだ玩具でこんな世界が作り出されるなんて驚き。小学校の体育館という場所と、富士山、列車といったアートワークの最高の組み合わせ。
体育館に面した小部屋でいくつか展示があります。その一つ、スサイタカコ「月夜のスカートめくり」。手作りの可愛い系小物で埋め尽くされた小さな宇宙。絵に動画に立体と空間を埋め尽くす密度が気持ち良い。密度って大切。
島崎(元料亭)へ。トーチカ「IKEBANA 2008」「PIKAPIKA」「PIKAPIKA 2007」。お座敷に静かに流れる映像を、窓辺の風を感じながら観る。料亭という場を活かした展示。実物の壷に位置を合わせて漫画チックに植物の成長を描く「IKEBANA 2008」等、どれも一工夫あって楽しい。
青山悟「Chain」「Whire horse in the studio」。廊下の奥に浮かび上がる小品。あっさり見流したら、なんと刺繍だったことを後で知る。何ですとー!再訪せねば。
2階に上がって、志村信裕「pierce」。畳の間に待ち針をびっしりと敷き詰めて、上から映像を投影する敷き詰め系アート。針の頭が光って綺麗。
最後に松宮硝子「Duquheapure」。ガラスを砕いて結晶化させたような、非常に繊細なオブジェで満たされた空間。奥の座敷は生け花のような、カキ氷のような白い塊で満たされています。手前の部屋では、壁の裂け目、部屋の隅、照明器具の陰などからガラス繊維が増殖中。カビのような増え方と、サンゴのような美しさが独自の世界律を生みます。中央の机で、作家さんがピンセットを使いながらまさにオブジェを増殖中なのが楽しい。ハンドメイドワールド!
サカスに戻って、ベルギービールの店「デリリウムカフェ レゼルブ」で一休み。冷製チーズフォンデュが美味しい!有機野菜も美味しい!冷たいのにクリーム状なその訳は、生クリームを加えているからとか。
思った以上に楽しいイベントでした。とにかく富士山とプラレール、そしてガラス生命体(?)がおすすめです!残りも廻ってみたいです。
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松宮さんのガラス、凄い良かったです。
プラレールも良かった・・・。
青山さんのは彼が刺繍作家だと知らないと
あの空間でそれに気がつかないですよね。
私は「島崎」が凄く楽しかったです!
KIN様>
こんばんは。
松宮さんは良いですね。
ファンになりました。
プラレールは都内で4展も平行開催中だそうで、大人気ですね。
青山さんは本当に「えーっ!」でした。驚きです。