2008年09月28日

●「パラレル・ワールドもうひとつの世界」展@東京都現代美術館

 東京都現代美術館で開催された「パラレル・ワールドもうひとつの世界」を観ました。同時開催の「スタジオジブリ・レイアウト展」の行列を横目に、漠然と評判の良い展覧会という印象を抱いて入場。ユーグ・レプというアーティストの方が、自作と日仏10名のアーティストの方の作品をキュレーションして作り出す「もう一つの世界」を楽しむという趣旨です。

 会場は2階と3階に分かれますが、まずは3階へ。入ってすぐにユーグ・レプさんの作品が並びます。「エデン」。極度に拡大されベニヤ板に貼り付けられた草花たち。「稲妻」。クネクネ曲がったネオン管で静止した稲妻を表現。ビジュアル的に明快で楽しげな作品でオープニング。内藤礼「通路」。小さめの入口を潜って天井低めの白い空間へ。二つの窓、水が流れ続ける洗面器、窓際に置かれたビーカー。天井には二つのトップライト。両側の壁に手摺。思わせぶりな舞台装置を潜り抜けると、ミシェル・ブラジー「プラスティック・フラワー」。春雨を使って作っているそうですが、時間の経過とともに変化するのだろうか?最後に名和晃平さんの作品を別室展示。見る角度によって見え方が変わるプリズムシリーズ。アイボはそれほど変わって見えなかったのは意図的なのだろうか。2階に下りてダニエル・ギヨネの映像作品。鳩が奇怪な生物へ変形したりするけれども、全体としては落ち着いた雰囲気の作品で意外。映像作品は通路部分に配置されるので、落ち着いて観にくいのが難点。

 全体的には、ガランとした空虚な雰囲気が感じられる展示でした。一つは平行世界という現実を意識した上で成り立つ展示なので、現実を意識する力が弱い(この日は体調が今ひとつでテンションが低かった)と展示のインパクトも弱まるせいかと思いました。もう一つは美術館の空間自体がガランとしていて、展示のインパクトが弱いとその空間の特徴が出てくるのかと思いました。

Posted by mizdesign at 2008年09月28日 17:50
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