2008年09月10日
●ジョン・エヴァレット・ミレイ展@Bunkamura ザ・ミュージアム
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」を観ました。水辺に横たわる「オフィーリア」のビジュアルで非常に印象に残る宣伝を展開しており、これは観ねばとチェックしていた展覧会です。金土は21:00まで開館している配慮も嬉しいです。
展示は全7章からなり、ミレイの絵の変遷を辿ります。「オフィーリア」が非常に強烈に印象に残るためにラファエル前派の画家と思われがちですが、実は非常に幅広い画風の変遷があります。今回の展示は彼の人生を辿る回顧展として構成されています。
とはいえ、印象に残るのはやはり「I ラファエル前派」。「両親の家のキリスト(大工の仕事場)」の描かれた木が本物の木を貼り付けたように見える描写力に目が釘付けです。「ジェイムズ・ワイアット・ジュニア夫人と娘のサラ」の人形のような愛らしさとプラスチックのような髪の毛の描写も印象的。「聖アグネス祭前夜」の超細密描画はもはや人間技とは思えないレベル。どうやって描いたのだろう。そして究極の一枚、「マリアナ」。その青い衣装の美しさと驚異的な質感、ベルトの超細密描写、ステンドグラスの透過光の描画、床の木の表現。もはやこれが絵とは思えないレベルの密度と完成度。さらに「オフィーリア」。その超細密な植物の表現は、糸を織るように線を紡いでいくことで新しい世界を生み出しています。そのリアルさゆえ、横たわる人物がマネキンに見えてきて不気味さも倍増。
これ以降の章は超絶細密描写は影を潜め、やや大味なタッチに移行します。「姉妹」の華やかな美しさ、「霧にぬれたハリエニシダ」の霧に霞む描画等見応えのある絵も多いです。実物以上にリアルに描くときもあれば、マネキンのように作り物っぽく描くときもあり、それがなぜかと想像するのも楽しい。でもやはり冒頭の強烈な絵画の数々が、私にとってのミレイだと再認識しました。
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? 「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」 from 弐代目・青い日記帳
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の
英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠「 ジョン・エヴァレット・ミレイ展」プレスプレビュー及び内覧会にお邪魔して来ました。... [続きを読む]
こんにちは。
結局最後は20代で描いた
オフィーリアなどラファエル前派時代の
作品に戻ってしまいますよね。
晩年の風景画をもう少し観たかったです。
Tak様>
こんにちは。
僕の視線は初期の超細密描写に釘付けでした。
時間とともに変化することが自然だと思うし、その変遷を上手く見せているとも思うのですが、結局印象は変わらずです。