2008年08月09日
●町田久美-日本画の線描@高崎市タワー美術館
高崎市タワー美術館で開催中の企画展「町田久美-日本画の線描」を観ました。
第1部 日本画の線描。小川芋銭「山村春遍・秋浦魚楽」。すっかりお馴染みの河童の芋銭が描く、のどかな田園風景。北関東には欠かせない画家。吉川霊華「王仁」。渡来人「王仁博士」!子供の頃、王仁公園によく泳ぎに行きました。吉川霊華「不盡神霊」。左右の人物が精度良く縮小されていてコピーのよう。蔦谷龍岬「御堂の朝」。大きくて見応えあり。中村岳陵「童謡」。マイルドな蕭白。安田鞭彦「かちかち山」。安田版鳥獣戯画。絵物語。
第2部 町田久美。近代日本画から現代へとつなぐ構成は秀逸。スタッフの方もとても親切で好印象。細い線を重ねて生み出す強い線。単純で力強い構成に見えて、繊細で不気味。その明るくザラザラした感触が絵に唯一性をもたらす。他方、絵の価値が一緒に暮らせるかどうかだとすると、この絵は私にとって対象外。心地良さだけが価値ではないと思いつつ、どうにも入りこめないもどかしさが残りました。