2008年07月29日
●東京アートツアー 竹橋
週末東京アートツアー二日目は、竹橋から。
東京国立近代美術館で開催中の展覧会をハシゴ。
「カルロ・ザウリ展」。イタリア現代陶芸の巨匠の回顧展。視覚的なインパクトを優先しているのか、展示作品が時系列に沿っていないことに戸惑う(作品リストは時系列順)。
I 1951-1956。マジョリカ陶器の美しい青。III 1962-1967。壷、皿といった名称をボリュームとしてのみ残しつつ、釉薬、表層、形態を追及してゆく変化。陶芸という言葉にこういう世界が含まれていたことを知る。光悦みたいだ。IV 1968-1980。ボリュームの捉え方に建築的な要素が垣間見える。「地中海の形態」とか。ひたすら実験を繰り返し、結果としての形態に名を与える。琳派に似てる?V 1981-1991。更に変化を続けるその先。「歪められた欲望」のぺしゃんこの形態が印象的。VI グラフィックタイル。ミクロなパターンでマクロな空間を覆うダイナミズムへのツール。最近流行ってる。並べるとどういった効果を生むのか観てみたかった。
「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳」。青森県美への予習のつもりで観る。それにしても何故に二人展?
青木淳はスタディ模型に自身のコメントを添える形で、プロジェクトの検討過程を綴る。「カメラ」といった、本来のプランニングとは関係ないキーワードを巡って繰り返される思索の軌跡は、確かに興味深い。そして始まりも成果も示さず、スタディ模型で始まりスタディ模型で終わる構成からは、「過程の一部を取り出した」感が強く現れている。
ペーター・メルクリは実在のプロジェクトとは直接関係ないというドローイングの数々が並ぶ。それに学芸員のかたのコメントが添えられています。どういうわけか、これがどうにも馴染めず興味を失った。
クイーンアリス・アクアで早めにお昼。テラス席から見える皇居の緑、青いグラスとペットボトル、美味しい食事。近美の迷走と対照的な、計算し尽くされた演出。
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