2008年07月30日
●東京アートツアー 日本橋、原宿
日本橋に移動して、三井記念美術館へ。ここに来ると、三井ブランドの肝は、表層デザインに一手間かけるところだと感じます。呉服屋のDNAなのでしょうか。そして「ぐるっとパス」デビュー!「特別展 美術の遊びとこころIII NIPPONの夏」を観ました。美術品で辿るNIPPONの夏の楽しみ方。
I. 朝の章 ~朝顔と涼の粧い~。冒頭に鈴木其一「朝顔図」。当日朝の日曜美術館で何故に其一?と首を捻りながら其一特集を見ていたので、「おお!」と思いました。放送中にここで公開中と一言入れてくれればいいのに。たらしこみの葉、朝顔の青が美しいです。葛飾北斎「夏の朝」。足元に朝顔、金魚の細かい描写。蒸し暑い日本の夏を涼やかに感じる感性。
II. 日盛の章 ~涼を求めて水辺へ~。円山応挙「青楓瀑布図」。サントリーで見逃した滝に、こちらで初対面。昨日は「保津川図屏風」、今日は「瀑布」と応挙大人気。縦長構図の画面に青楓が涼を誘います。もっとも、個人的には縦構図の滝はプールみたいで今一つ。庭園へと流れ出る、金刀比羅宮表書院の滝が思い出されます。
~夏のデザイン~。「櫛・簪・紙挟み・楊枝入」。リアルで動きのある動物たち。蟹がチョッコリのった櫛(だったかな)が可愛い。「色ガラス棒虫籠」。オシャレなガラス棒製の虫かご。見ているだけで涼やか。
~涼のうつわ~。「ぽっぴん」。対決展で見た、歌麿の美人画を思い出します。放談で小林先生が触れておられて印象に残っていました。
III. 夕暮の章 ~夕立と夕涼み~。喜多川歌麿「寒泉浴図」。背中のピンクが色っぽい。さすが歌麿。祗園井特「納涼美人図」。濃いめの顔つきと細かい描写が印象的。歌川国貞「両国川開図」。人でいっぱいの橋、待ちに待った川開き!といった風情。実際の人ごみは苦手ですが、絵で見る風景はとても楽しげ。
IV. 夜の章 ~夏夜の楽しみ方-舟遊び、花火、蛍狩~。蹄斎北馬「納涼二美人図」。優雅に船で寝そべる二人。
江戸の夏にまぎれこむ一時。肩が凝らずに楽しめます。千疋屋総本店 日本橋本店で食べたマンゴーソフトクリームも美味しかった。東京メトロ一日乗車券で割引あり。
その一日乗車券で足を伸ばして、太田記念美術館へ。「江戸の祈りと呪い」展を観ました。浮世絵を題材に、祈り、呪いの道具、風景を紹介します。名所江戸百景等は以前の展示解説の使いまわしですが、夏の日に浮世絵は相性が良いです。まったりと鑑賞、おみくじも引いて、ちょっとした縁日気分を味わいました。ちなみに運勢は末吉。