2008年07月03日

●東京アートツアー 上野

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 先週末の東京アートツアーの記録その2。
 翌日は上野へ。東京藝術大学美術館で「バウハウス・デッサウ展」を観ました。
 大きく三期に分かれるバウハウスの活動のうち、デッサウに焦点を当てた展示。そのカリキュラムや、講師陣及び演習課題が数多く展示されています。さらにその時代背景や、バウハウスの分岐に当たる学校等も網羅されています。
 個人的には、演習課題等が長々と並ぶ展示は少々単調で退屈気味。後半中ほどで流れるバレエの映像の機械的な動きが印象的。そして最後の章でようやくバウハウス校舎の模型や校長室の再現セットが登場します。面を色彩で分割する空間と、直線的かつ素材の組合せで構成された家具。とても興味深いものの、登場が遅くて少々疲れました。
 お昼は法隆寺宝物館。せとうち、豊田で見た「細い柱による浮遊感の演出」。重さを引き受けているのに、逆に軽く見える。研ぎ澄まされたバランス感覚。

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 東京国立博物館本館で、話題の「大日如来坐像」を観ました。小振りながらキリリと締まって美しい。
 「特集陳列 平成19年度新収品」を観に、本館特別1室・特別2室へ。目当ては「古筆手鑑 毫戦」の裏表紙の刺繍。青い龍は刺繍とは思えないくらい緻密で綺麗。

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 美味しいと評判のパティシエ・イナムラショウゾウでケーキを買って、都内某所へ。ケーキとは思えない美しい色彩(一目見たら買わずにはいられない!)。フォークを入れるともう一変身する作り込み。甘さ控えめな美味しさ。スタッフの方の一糸乱れぬ応対といい、質の高いエンターテイメントショーを観ているようでした。
 そして本日のメインイベント、「ブレードランナー ファイナル・カット」上映会。120インチスクリーン+立体音響でBlu-ray映像を堪能しました。ブレードランナーといえば、酸の雨が降り続ける近未来都市を舞台に全編暗いトーンで綴られる、退廃的な物語というイメージ。ところが、高密度な画面だと雨はかなりクリアになり、登場人物たちの悲しみが、怒りが、苦しみがとてもダイレクトに伝わってきます。もちろん、花魁が映るネオンを背景にスピナーが舞うシーンもとても映えます。タイレル本社のディテールもくっきり。背後から聞こえてくる雨音は本当に雨が降っているのかと思いました。ラストシーンも「ここで終わるのか!」と思うところで幕を引いて余韻を残します。カルトなSFムービーから、人間心理の葛藤に踏み込んだドラマへ。びっくりするくらい印象が変わりました。どうもありがとうございました!

Posted by mizdesign at 20:19 | Comments [4] | Trackbacks [0]