2008年06月16日
●愛知アートツアー (豊田編その1)
名古屋の次は豊田。絶対行きたい(というかとっとと行け)美術館ベストスリーの一つ、豊田市美術館。ようやく訪問。設計は谷口建築設計研究所。
水盤を前に、薄く細く長いフレームでリズムをとり、乳白ガラスの行灯を背後に控える構成は、雑誌で何度も見たとおり。端正なことこの上ない、ミスター・パーフェクトの面目躍如。香川県立東山魁夷せとうち美術館でも使用されていた緑色の米国産スレートが壁も床も多用されていて、相当なお気に入り素材らしい。
エントランスを振り返ると、外の景色を水平に切り取る横長の開口。
大階段を上って、光の行灯の中へ。柔らかに満ちる光、壁面にリズミカルに展開するアートワーク、天井から吊られた細い棒状のアートワーク。建築とアートが融合する理想郷のような空間。
そして展示室。上部を切り取り、壁と天井を分離する構成、ガラスで光の面と化す天井。浮遊感に満ちた白い空間。「せとうち」はこの空間をスケールダウンして、細い柱を隅部に建てた構成に思える。
谷口建築に必須の、美味しいレストラン。外の景色を取り込む店内には、なぜかカーペンターズが流れる。ランチメニューはパンにドリンクにデザートまでついて950円と驚きの安さ。豊田市が財政補助しているのかと思ってしまった。
外構はピーター・ウォーカー。大池をはさんで、建物の反対側にあるストライプ状の田んぼ(?)。
茶室へ足を伸ばせど、ちょうど閉館。外側をぐるりと回って、美術館側へ折り返した眺め。歴史を踏まえた石垣、大池、フレーム、ガラス張りのあずまやのようなインスタレーション、そして行灯。どこから見ても絵になる隙のない構成。
この施設は意外と多様な用途を持っていて、細いフレームは、ともすれば雑然となりそうなそれらの集合体としての性格を視覚的な造形として表していると感じました。この点が、他の谷口作品とは少し異なった性格を帯びる一因だと思います。
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谷口建築好きな私としては本当に本当にとっとと
行きたい建物です・・・ここ。
あー、行きたい。
奇をてらわない端正な建物+周囲のアプローチや
水盤!うまいなぁ・・・。
あー、とっとと行きたい!
KIN様>
こんばんは。
えっ、まだ行ってなかったんですか!?
建築好きなKINさんはてっきり訪問済みと思っていました。
綯交展の混沌とあわせれば、箱と中身と合わせて強烈な思い出になること間違いなしです。
うわー、行かれたんですね。
建築好きな(というかその道の)方はどんな写真を撮るのだろうと思っていました。
なんかリーフレットとかに載せてもOKな感じのお写真ですね!
ogawama様>
こんばんは。
やっと行きました。
どこから見てもカッコイイ(裏口ですらカッコイイ)、本当によく出来た建物でした。
それと「綯交展」!特別常設でこんなのやられると、もう脳裏に焼きついて困ります。