2008年06月16日
●愛知アートツアー (名古屋編)
10年ぶりに名古屋へでかけました。新幹線から見るモード学園ビルもインパクトありましたが、今回の目的地は愛知県美術館です。
目的地のお向かいにあるオアシス21でしばし足が止まる。ギラギラの階段腰壁、水を張った水盤の屋根。ぶっとい骨組。はっでー!
水盤の屋根面にはエレベーターでアクセス。水面には入れませんが、触れます。子供たちが楽しげに遊んでいます。でも夏は暑くて人っ子一人いなさそう。。。
水盤の向こうに、空へと伸びるテレビ塔。名古屋の顔?
通路を通って、愛知芸術文化センターへ。ここは地下の吹抜け。天井面は蛍光灯で光っています。この建物の上層部が愛知県美術館です。
本日より公開の「誌上のユートピア」展を観ました。
副題は「近代日本の絵画と美術雑誌 1889-1915」。雑誌の表紙を飾った絵画と、その画家の絵画を合わせて並べるという、構成に一工夫ある展示。
近代日本の16年間がメインなのですが、冒頭のヨーロッパの美術雑誌に眼を奪われました。『ユーゲント』の多様な表紙絵の数々に、歴史的な表紙絵の変遷という時間軸(例えば技術の発展に沿って色味が豊かになる、描画が細かくなるといった)が消失してしまった。はじめからゴールを見た気分。
全体構成がボケてしまったので、視覚的に楽しい作品を見て回る。橋口五葉の一連の装丁は、手触り感を想像させてとても美しい。杉浦非水の三越の広告シリーズもバリエーション豊かで見ていて楽しい。三越は度々登場していたので、当時のメディアを意欲的に取り入れている様が想像できた。神坂雪佳の「百々世草」シリーズもまとまって登場。凶悪に可愛い「狗児」を初めて観ました。お馴染みの「金魚玉図」も登場。グラフィックアートとの相性の良い雪佳の作品は観て楽しいですが、本展との結びつきは今ひとつ弱かった気もします。黒田清輝が随所に登場して、当時の彼の影響力の大きさを感じました。誌上に展開される「ユートピア」の読み込みをサボってしまいましたが、それでも圧倒的な物量と視覚的な美しさに満ちた構成で十二分に楽しめました。
続いて常設展。現代アート多数。デヴィッド・シャピロの細かいパターンの組み合わせで構成された作品が眼を惹きました。自画像を集めたコーナーも多彩で興味深い。野田哲也「日記1987年5月30日柏市亀甲台2-12-4」は思いっきりうちの近所でビックリ。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/639
? 尾形 光琳 from さっきぃ勉強日記
日本画というと、俵屋宗達の風神雷神図なんかを思いつく人も多いのではないでしょうか?で、俵屋宗達の本でも買ってこようかと思ったのですが、その影響を受けたと考えれれ... [続きを読む]