2008年06月05日
●東京アートツアー_0531 (六本木編)
代々木、乃木坂、そして六本木へ。
サントリー美術館「KAZARI 日本美の情熱」。監修は辻惟雄さん。「日本美術の歴史」に綴られた史観とサントリー美術館のコレクションのコラボレーション。
「第一章 かざるDNA」。縄文土器から始まる「かざり」の遺伝子。教科書で見た国宝火焔土器は始祖に相応しい。舎利容器の細微に渡る作りこみは見応えたっぷり。そして何より伝岩佐又兵衛筆「浄瑠璃物語絵巻」。荘厳華麗なる描画に密度。そしてあの「血染め」の又兵衛。辻節全開のハイテンション展示。さらに「春日龍珠箱」の手乗りならぬ頭乗り竜の凶悪な可愛さで駄目押し。
「第二章 場をかざる」。座敷飾りの教科書と実物再現展示を並べる懇切丁寧な構成。よくこれだけ集めたものだ。ポスターになっている「色絵葡萄鳥文瓢形酒注」も確かに良いが、もっと良いものがズラリ。メインビジュアルはサントリー美術館の所蔵品という制約があったのだろうと勝手に邪推。
「第三章 身をかざる」。色物兜の大行進。中でも「黒漆塗執金剛杵形兜」は、一瞬何か分かりませんでした。「蝶形兜」のミ○キーマウスのようなシルエットも可愛い。
階が変わって着物が登場。着物は苦手なのですが、「舞踊図」で絵画の中の着物への興味を喚起して、実際の着物へと視野を広げる展示のおかげでスムーズに入っていけました。ずっとハイテンションだった展示が落ち着いてほっと一息。
「第四章 動きをかざる」。祇園祭の山鉾の「かざり」まで並んでおなか一杯です。
幕間(?)の平田一式飾の陶器による造形も楽しい。レゴブロックの陶器版。
辻美術史のキーワード「かざり」が全編を覆い尽くす、夢の企画展。これほどの展示がさりげなく始まってしまうあたり、東京の脅威のスピードを実感しました。
お腹が減ったので一休み。お店の方が「いかにでも取り分けいたしましょう」とか、「このチキンはとても美味しいよ」と親指立てたりでちょっと気障。ちょっと気取った夜景とあわせて、ミッドタウンな感じ。
最後は森美術館に滑り込みました。
「英国美術の歴史:ターナー賞の歩み展」。濃密な日本美を堪能した後だったので、少々食い合わせが悪かったです。デミアン・ハースト《母と子、分断されて》。その分断された間を歩いてみた。ゾクゾクと悪寒が走った。
「サスキア・オルドウォーバース」は1本のみ鑑賞。ドンドン変化する画面が飽きさせない。出直します。
そして「TOKYO CITY VIEW」。夜景は24:00まで鑑賞可。
代々木、乃木坂、六本木。バラエティ豊かで充実したプログラム群、夜間開館、夜景。東京ってすごいなと思った一日でした。個人的番付は「モバイルアート」、「KAZARI」が双璧、次いで「エミリー・ウングワレー」。
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「KAZARI−日本美の情熱−」展に行って来ました。
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故あって先週から六本木一丁目のオフィスになりました。近場なので仕事が早く終わったら巡ってみようと思います!
Nikki様>
こんにちは。
六本木一丁目ですか。
六本木へも赤坂へもアクセス超便利ですね。
僕は故あって、南の島でせっせと仕事をしております。
こんにちは。
平田一式飾オソルベシ。。。
制作中のビデオまじまじと
観てしまいました。
おじいちゃんたちが真面目に
そして楽しそうに取り組んでいて
とってもいい感じでしたね。
Tak様>
こんにちは。
KAZARIの名品の幕間にあって、異様な存在感がありました。
コッテリ濃厚、そして柔軟な日本文化の継承者ですね。
確かに一式飾りはレゴブロックですね。
テーブルコーディネートの飾りも綺麗ですね。
一村雨様>
こんばんは。
先日読んだ新聞に、洛中洛外図屏風に新発見があって、その兄弟分にあたる屏風に岩佐又兵衛の関与が認められるという記事が載っていました。
肝心の新発見が訳あって公表できないあたりに、先日の運慶作仏像と同じ臭いも感じますが、ここで又兵衛かと驚きました。
辻惟雄先生もコメントされていて、時代の人だと思いました。