2008年06月24日

●勝間和代「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」

 勝間和代「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」を読みました。これまでの二冊に比べると、実践書としての色合いが非常に濃いです。
 「振込手数料無料」の売り文句に惹かれて、S銀行にお金を預けている身としては気になるタイトル。ついでに利率優遇という特典に惹かれて、そのほとんどは定期。ただし、振込手数料無料は回数制限があり、定期は1年で自動解約されて普通口座に移されます。口座を開設して、資金を移動して。囲い込み戦略にスッポリとはまっております。購入の決め手は、前書でのさりげない宣伝。

 リスク(risk)と危険(danger)。リスクは計量可能で、コントロール可能なもの。コントロールできないリスクは、単なる危険(ギャンブルなど)。
 迷う前に、株式や債券などのリスク資産の購入を決意することと、各資産をどのくらいの割合で持つかという判断になる。なるほどなるほど。
 「There is no such thing as a free lunch.」 (タダ飯なんてものはない)。金言。
 銀行は主に定期預金と住宅ローンで儲けていて、手間暇のかかる普通預金や決済サービスではさほど儲かっていない。定期預金の方が国債より利率が低いことを意外と知らない。おおーっ、そうなのか!
 不動産で特に問題となるのが、住宅ローンは銀行を始めとする数多くの企業の大きな儲け口になっているという点。金融資産という考え方からいうと、土地の値段が値上がりしにくいときは住宅ローンを組むべきでない。金融資産としてみた場合の、住宅ローンの位置付け。とても刺激的。自分にとっての「安全地帯」の考え方を練り直そう。
 「じゃんけん理論」。確かにあるが、現実的かは推して知るべし。
 各種金融商品を簡単に解説して、実践へ。分散投資、分散投資、分散投資。
 「金融リテラシーを身につけるための10のステップ」。ゴール設定が具体的で、読者の顔が見えてるなと思った。

 「金融を通じた社会責任の遂行」。前章でひとまず完結。最後は金融と世界の結びつき。確かに、生きて行く上で避けては通れない。
 そして、書を閉じたら始める第一歩。「タダ飯はない」を肝に銘じて踏み出しましょう。「おいしい家庭料理」を目指して頑張る日々。

Posted by mizdesign at 20:44 | Comments [2] | Trackbacks [0]